宇宙戦艦ヤマトのその後 5
岡本は中央病院を即日解雇された
寮も翌日追い出された。古代という男がいなければユキは思い通りになっていただろうと思うと何もかもが古代のせいと思いこみ始めた。
岡本はトランク一つの荷物を持ってモールのベンチに座り込んでいた。
(俺は医者になった。ユキちゃんが目指してた医者に…それなのにどうしてゆきちゃんは
古代という男がいいのか?俺の方がいい男じゃないか!あいつじゃゆきちゃんは不幸に
なる。ゆきちゃんは俺と一緒にいた方が幸せになれるんだ。そうだ、ユキちゃんと一緒に
暮らして幸せにしてやろう。一緒に暮らせば俺の良さ絶対分かってくれるはずだ。)
岡本は親が暮らしていた地下都市の部屋に戻ってきた。今両親は長期出張で後半年は戻ってこない。
(半年ここで一緒に暮らせばゆきちゃんだって気持ちが変わるかもしれない。ひょっとしたら
赤ちゃんだってできるかもしれないし…そうだ子供を作ってしまえばいいのか。そしたら
ゆきちゃんだって結婚してくれるだろう。)
しかし岡本はユキの情報を何も知らなかった。古代が勝手に連れて行ってしまいその後どこへ行ったのか誰も知らなかった
岡本はいつユキと遭遇してもいいように密封性の高い袋に薬品を混ぜた小さな布を携帯しポケットにいれて持ち歩くようにした。
岡本が中央病院を解雇されて二日後ユキがいつ来てもいいように日用品を買いに行こうとモールへ出かけると遠くにユキがいるのがわかった。隣には古代がいた。
(余計なやつがいるな…)
偶然にもユキをそうそうに発見し計画を実行するべく離れた所から見ているとどうもレストランを探しているようだった。岡本も食事が終わるまでは機会がないと思い階段の踊り場のベンチに座っているとユキが一人席を立ち店を出るのが見えた。
(トイレかな…チャンスだ。)
ユキがトイレに向かうのを確認すると古代の様子も確認する。…とまるで岡本の後押しをするように女性が数人古代の所へ走り寄って行った。しばらく見てるとユキがトイレから出てきたがレストランに入らずその様子を見ていたので今しかない、と思い岡本は薬品を混ぜた布をタオルで隠しユキの後ろから近づくと痛い右腕を掴んで走り出した。ユキの護身術が出る前にそのタオルをユキの顔に当てて気を失わせることに成功した。
岡本は力なくぐったりしたユキを一度階段の踊り場で背中でしっかり背負うとそのまま階段を降りて駐車場へ向かった
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 5 作家名:kei