宇宙戦艦ヤマトのその後 6
「真田さんから?」
古代が身を乗り出して聞くと
「古代と森くんの事だよ。将来を誓い合った仲だ、とね。まぁ今すぐ結婚とかではないと
思って私も森くんを中央病院から引き抜いたんだが…秘書として私と同行することが
増えれば泊まりで出張などもあるので一応古代に了解をもらっておこうと思ってね。
私にも家内がいるがこう、表だって出るのが嫌いな人間でね…女性同伴のパーティー
など時々あるのだがその時は森くんをお借りするので…よろしく頼む。」
長官はそう言って深く頭を下げた
「ちょ…長官、そんな頭下げないでください。それはユキの仕事なので…私の了解など…
なぁ、ユキ?」
「そうです、長官。仕事ですから…。古代くんはそんなことでダメなんて言わないってずっと
私申し上げてたと思いますけど?」
「…まぁそうなんだが…一応…、な。そうか…でもよかった…若い世代がガミラスとの大戦
で少なくなっている。これからは君達の世代にがんばってもらわないといかんからな。
プレッシャーをかけてるようで悪いが若い連中の先頭に立っていろいろ頑張ってくれたま
え。森くんも月に何回かは中央病院で研修に行けるよう手配してあるから…」
「ありがとうございます。仕事に支障のないよう努力します」
「さっそく何だがヤマトが飛び立ったあと何だがアメリカの方へ行く予定があるのでそれを
森くんに同行頼もうと思ってるのでな…」
三人はしばらく歓談し古代は話の折を見て長官室を出た
古代とユキはエレベーターホールへ向かって歩いていた
「素敵な方でしょう?長官って。人の話を最後まできちんと聞いてくれる方なの。」
「そうだね、長官、って肩書からもっとお堅い人だと思ってたけどね。でも長官について
出張なんてちょっとかっこいいな。パーティーとか行ったらユキもドレス着るのかな?
ちょっと見たい気もするんだけど!」
「なに言ってるのよ(笑)仕事よ、仕事!この格好に決まってるじゃない。ドレスなんて買う
お金だってないわよ。」
そう言ってユキはにっこり笑った
「じゃぁユキ、これさ…」
古代がポケットの中の物を無造作に取り出そうとしたときエレベーターが着いた。古代はそのまま手に握ったものをユキに渡すと“じゃぁ”と言ってエレベーターに乗り下へ降りて行った。
ユキの手には小さな紙袋が乗っていた
「なあに?これ…」
そう言いながら袋を開けてさかさまにするととかさかさと音を立ててきれいなダイヤモンドのネックレスがユキの手のひらに落ちて来た。手に取ろうとした瞬間メモ紙が足元に落ちた。ユキはそれを拾い上げてみた
<イスカンダルのダイヤモンド鉱石から真田さんに作ってもらったネックレスです。>
ただその一言しか書かれてなかった。
ダイヤの部分は確かに地球上ではほとんど見る事が出来ないほどの大きさで小指の爪の大きさくらいありチェーンはコスモナイトなのか銀色だがシルバーとは違う微妙な輝きを放っていた
「古代くん、ありがとう。」
ユキはネックレスを首にかけて余り目立たないようにスカーフで押えた
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 6 作家名:kei