宇宙戦艦ヤマトのその後 6
「ヤマトの中でユキは笑って怒って…そのままのユキでいいんだ。新しくなった地球で
一緒に生きていこう。」
古代の腕の中でうなずくユキがいた
「ありがとう、ユキ。」
古代はそっと腕を緩めるとユキの涙を拭いてやさしくキスをした
「お、古代からだ」
南部の携帯が鳴った
「ユキさん起きましたか?」
<うん、ちょっと頭が痛そうだけど意識はしっかりしてるよ>
「そうですか、よかったです。そちらに戻るのはもう少しかかりそうです。ちょっとおいしい
もの探してたらハマっちゃって…ナゴヤいいですねぇ~ユキさん何か食べたいって言って
ますか?」
<頭が痛いから余り食べたくないって>
「分かりました。なにかおいしいジュースでも用意しますよ。古代は食べ物なんでもいいだ
ろ?お前雑食だからな!」
<雑食はないだろ?全く…まぁ…ユキの事大丈夫だから、ってみんなに伝えてくれ。>
「了解。古代く~ん、ふたりっきりだからってユキさんに迫ったりしないでくださいねぇ~」
<バ…バカ!(かなり焦って)ん、なことするわけないだろ!バカ!ったく…じゃぁな!>
ブチ、と携帯は切れた。南部は笑って話を聞かせた
「古代すっげぇ焦ってんの!ありゃ図星だな、図星!デート一回もしてないのにプロポーズ
しちゃったと見たね!」(南部)
「お見合いどうするんでしょ?」(相原)
「断る口実にもなるだろ?いいんじゃないか?」(真田)
「それより南部、どうする?親父さんが勝手に写真送ってたら?」(島)
「実は何気にそれを期待してたんですが…残念ですよぉ(笑)」(南部)
「でも古代とユキさんの新居に行ってもおいしいもの期待できないですね」(太田)
「お前が作って持っていけばいいんだ」(島)
「え~そのお礼がコーヒーだったらどうします?」(太田)
「お前ユキの気を引こうとおいしい、って言いながら飲んだじゃないか」(島)
「それはもう時効で…(げっそりした表情で…)」(太田)
南部はホテルに連絡して部屋にホテルのお勧めのコース一つとサラダとリンゴジュースを届けるよう手配した。
翌日から始まったユキの事情聴取も順調に進んだ。ユキは穏便に済ませたいと(事を表に出すとまた大変になると思って)被害届を出すのをやめた。
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 6 作家名:kei