宇宙戦艦ヤマトのその後 6
一日遡る…
「パパ、ユキから連絡があって明日10時頃紹介したい人を連れて実家に行くから絶対
家にいてね、って。まったく勝手に退院したと思ったら今度は…あ、ひょっとしてあの時
言ってた片想いの人を連れてくるのかしら…ねぇパパ、そうだったらどうしましょう?」
ユキの母はちょっと慌てていた
「お見合いの催促の電話だって毎日来てるのに…いまさら恋人が出来て、なんて言えな
いわ。…それにしても大事なことどうしてメールで連絡してくるのかしら…」
「お前に電話したらアレコレ聞いて話を聞いてもらえないからだろう?少しユキの話を落ち
着いて聞いてみなさい。あれだけの仕事をしたんだ、もう子供じゃないだろう?それに
明日は土曜日で私もいるし…」
「パパはユキに甘いからすぐOKしちゃうでしょう?それじゃダメなのよ。だいたい戦艦に
乗ってたからカッコよく見えただけよ。ユキは若いからそれに気付いてないの。すぐに
でも結婚、なんてなったらどうしましょう。」
「ママ、考えすぎだよ。とりあえず会わないとなんとも言えないことじゃないか。明日彼に
会ってそれから考えよう。」
ユキの母は大きなため息をついて“そうね”と言って肩を落とした
約束の10時に“ただいま”と言いながらユキが実家に戻ってきた。ユキの母が玄関に出てきて
“おかえり”と声をかける。そしてユキの後ろに立つ古代を見た。
「初めまして、古代進です」
そう言って深々と頭を下げた。ユキの母はいつの間にか玄関に来ていた父に肩をたたかれ我に返ると
「どうぞ、おあがり下さい」
と言って古代をリビングに通した
「おじゃまします」
古代は玄関を上がる時にもう一度父に向って深々と頭を下げた。
リビングに古代とユキが並んで座り向かいにユキの父が座っていた。少し時間を置いてユキの母がお茶を運んで来た
「お待たせしました、どうぞ」
そう言って母がお茶をリビングのテーブルに並べ父の横に改めて座った時古代が立ち上がり一気に話し始めた
「私、ユキさんと同じヤマトの乗組員の古代進と申します。ユキさんと同じ第一艦橋で仕事
をしていました。地球に無事帰還しまして先だって地上の放射能除去作業も終了しまし
た。兼ねてよりユキさんと結婚を前提にお付き合いしたいと思っておりまして…今日は
そのお願いにまいりました。」
そう言い切ると深々と頭を下げた
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 6 作家名:kei