yamato… 古代とユキ 1
「オ待タセシマシタ。ドウモアリガトウゴザイマス」
接客ロボは進にスーツを渡すと別の場所へ向かって行った。
「ありがとう…」
ユキが照れながら恥ずかしそうに言うと
「そう素直に最初から言えばいいのに」
進も嬉しそうに照れながら笑うとユキは進の手をそっと握った
「…ほら…似てなぁい?」
「そう?男の方はちょっとヤボったいわよ」
「でも…」
「ユキ?」
ユキが握ったばかりの手をそっと離した
「お店の人が…コソコソ話してる。ヤマトの乗組員、ってばれちゃったかも…」
進が何げに店内を見渡すと店員がこちらを見ていたり店員同士視線はこちらに向けて
何やら話している
進は聞こえないふりをしてユキの手を引いてエスカレーターを登って行った
「…大丈夫だよ、きっと。」
進はそう言ってユキの手をしっかり握った
エスカレーターを2階分登り紳士服売り場に着いた。女性の売り場に比べると随分
人も少なくて先程のようにならないような感じだったので二人はホッとしてスーツ
売り場に急いだ
「いろんなサイズがあるのね。」
進は採寸コーナーに行って自動でサイズをセンサーで計測してもらい紳士服売り場を
うろうろしていた
「オーソドックスだけど…紺はひとつ持っていないとね。それと…」
進は自分の体形に合ったスーツを2本選ぶとそれに似合うようなネクタイを5本選んで
白いワイシャツを1枚、水色とオフホワイトのワイシャツを接客ロボに渡しカードを通し
レジを済ませた
「お金、大丈夫?」
ユキはさっき自分のスーツも買ってもらったのに自分のスーツも購入してる進のカード
の残高が気になっていた。
「ん?全然大丈夫だよ。第一お金使うところがないだろ?」
確かにそうだが
「だからって…せっかく働いてもらったお金なのに…」
ユキが渋ると
「無駄遣いじゃないよ。ユキがコレ、着てくれればいいんだから。」
進がそう言うと接客ロボが大きな袋を持って来た
「オ待タセ致シマシタ。アリガトウゴザイマス」
袋を受け取ると“ありがとな”と言ってふたりはエスカレーターを昇り最上階へ行った
作品名:yamato… 古代とユキ 1 作家名:kei