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yamato…  古代とユキ 1

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完全プライベートなので私服の二人は周りからみると付き合いだして間もない恋人と
同じように見えていた。

ユキの帽子から始まって進のシャツやジャケットなどいろいろ見てまわった

  「いいスーツね。」

ユキがパールピンクのタイトミニのスーツの前で止まった。進も似合いそうだな、と思った
ので接客ロボを呼ぶとサイズを確認してユキは試着室へ入って行った

しばらくするとユキが出てきた。進の予測は外れてなくユキにピッタリだった

  「どう?似合う?」

少し照れくさそうに後ろを気にするしぐさがかわいらしかったが進もちょっと照れて

  「うん」

しか言えなかった。

  「もう、古代君、うん、だけじゃわからないじゃない。」

進はそんなことないよと、言おうとしてユキの方を見たとき胸元に輝くものを見つけた
ユキも進が気付いた事に気がついた

  「…コレ、チェーンが長いから制服の下に付けていても見えないからちょうどいい
   の。どう?似合ってる?」

進はユキに近づいて

  「…うん。とっても似合ってる。付けててくれたんだ。ありがとう」

進の言葉ににっこり笑ってうなずくと“着替えてくる”と言ってカーテンを閉めた

  (やっぱり真田さんの言った通りシンプルな方がユキにしっくりくるんだな…しっか
   しでっかい石だったな。あれじゃ短いチェーンじゃ目立ちすぎるから長くしよう
   って言った真田さんの考えは正しかったって事だな。)

そうこう考えてるうちにユキがスーツを持って出てきた。そしてそれを接客ロボに渡し
売り場に戻そうとしている。

  「待って、それ…買うからラッピングして。」

進があわてて言うと

  「古代君、アレ、とても高いのよ。私、とてもじゃないけどそんなもの着れないわ。」

ユキが手を振って言ったが進は自分のマネーカードを接客ロボの清算口にスキャンさ
せて会計を済ませてしまった

  「アリガトウゴザマス。らっぴんぐニオ時間カカリマス。シバラクオ待チクダサイ」

接客ロボはそう言うとカウンターへ戻って行った

  「もう、古代君!」

ユキは進を責めようとしたが
 
  「俺のスーツも買おう。電子マネーはしっかりたまってるんだ。…で、それを着て
   もう一度ユキの両親にあいさつに行こう。」

進のしっかりとしたひとこと、ひとことがユキの心にしみこんでいった
作品名:yamato…  古代とユキ 1 作家名:kei