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yamato…  古代とユキ 1

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ユキは進がどんな少年時代を過ごしてきたのか知らなかった。しかしあの通信の時誰
とも連絡を取っていないこともあり進が話してきたら耳を傾けようと思っていた

  「…兄さんは時々行ってたと思うんだ。たまには行けって言ってたから。でも…
   行けなかった。充分自分はひとりになったって判ってるのに…どこかにそれを
   認めたくない自分がいて…ひとりじゃ…行けなかったけど…誰と行ったらいいの
   かもわからなかった。地球に戻ってきたら行こうって思ってたのに…兄さんが
   生きていたよ、俺に義姉さんができたよ、って伝えないといけないのにそれも
   できないままだった。」

進は隣に座るユキの顔を見て

  「でも思ったんだ。そんなことよりとうさんとかあさんにユキをちゃんと紹介しな
   くっちゃて。帰るところを見つけたよって。もう大丈夫だから、って伝えたくて
   まぁ改めて報告しなくてもどこかで見てると思うけど。」

そう言うと照れくさそうに笑って目を伏せた

  「私も古代君のご両親にお会いしたいわ。」

そう言ってユキは笑った。



トウキョウステーションからリニアで1時間ほどで三浦に着いた。進が住むはず
だった部屋は駅から歩いて5分ほどだった。一度だけ荷物を運びに来た時通った
道…あの時は両親と一緒だった。あれから7年の月日が流れていることに進は
気づいた

  「…ここだ。」

進がカードキーを通すと静かに鍵の解除される音がした

  「ちょっと埃っぽいかも…入って。」

玄関をはいると今にも生活できそうなキッチンが目に入る。お皿は棚に並べられシンク
の上にはふきんもかかっている

  「おじゃまします」

テーブルの上を見ると一通封筒が置いてあった。封筒に宛名はない。進がそれを手に
取り封を開けた。すると中から進名義のマネーカードが出てきたのと一緒に手紙が入っ
ていた。
作品名:yamato…  古代とユキ 1 作家名:kei