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yamato… 古代とユキ 2

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  「古代君?わたし。準備できたわ。どこで待ち合わせる?」

ユキは急いで寮に戻るとスーツに袖を通しお化粧を直した。いつものバッグより少し
コンパクトなサイズのバッグに中身を移しスーツに合わせて後から購入した淡いピンク
色のヒールを履いて表に出た

  〈表にエアカー回してあるからそれに乗って。〉

ユキは了解!と言いながら踊るように玄関に走って行った。寮の玄関には黒いタクシー
がユキをまっていた。扉が開くと進がすでに乗り込んでいた

  「準備早かったね。」

進はユキのスーツ姿がまぶしくてそれしかいえなかったが不意に助手席から声がした

  「まぁったく“似合ってるよ”くらい言えないのか?」

南部の声だった

  「南部君?」

  「えぇ二人っきりになりたいところお邪魔してすみませんね。コイツに車の手配の
   相談受けたもんですから…オヤジのところから運転手付きの車拝借してきました
   よ。これならどこまで二人で行ってもウワサ立ちませんから…それとご安心を
   お邪魔虫はユキさんのご実家に着く前に消えますからね」

  「お邪魔虫だなんて…でも、ありがとう。」

ユキは心から感謝した

南部はその言葉通り15分ほどするとパーティー会場で降りた。オヤジさんの代わりに
出席しなくてはいけないと随分前からの約束だそうだ。降りてみて気付いたが高そうな
タキシードを着こなしている

  「南部くん、着こなしてるわね。」

ユキが素直に言うと

  「ユキさんに言われるのが一番うれしいですよ。それでは遠くから健闘を祈ってます
   …おい、古代!しっかりしろよ!」

そう言って南部を下ろした後エアカーは静かに走り出した

  


  「ふぅ」

進は南部が下りると緊張してきたのか大きな深呼吸をした

  「うふふ、緊張してるわね、大丈夫?期待してますよ?」

ユキの大きな瞳にのぞきこまれ思わず窓の外を見る

  「ははは、頑張るよ。」


作品名:yamato… 古代とユキ 2 作家名:kei