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yamato… 古代とユキ 2

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  「ユキ、よかったな。一歩前進したぞ!」
  「えぇ…パパがあんな風に許してくれるなんて思わなかったわ。いつもママの
   言いなりだったから…やっぱりいざって時はパパなのね。」

ユキは小学校の在学中までしか両親と暮らしていない

  「でも古代君も立派だったわ。あんなに堂々と言えるなんて。」

ユキが嬉しそうに言うと進はユキの手を握り

  「もう、公認だからな。」

と言った。今までは変な噂が立たないよう一緒にいることもはばかっていた。ユキは
自分の右手が進のぬくもりで暖かくなるのを感じて思わず涙が出そうになるのを
必死にこらえて少しおどけて見せた

  「古代戦闘班長、森ユキ、お腹が空きました!」
  「ん?森班長は空腹か。…そう言えば急いで出てきたから…ではどこかで食事
   でもするか。」

ふたりが寄り添うようにステーションの方へ歩き出した時進の携帯が鳴った

  <用事はすみましたか?>(南部)
  「あぁ、終わった。いろいろありがとうな。なんとかうまくいったよ」(進)
  <そうですか、おめでとうございます。で、きっとお前の事だから何も考えてない
   だろうと思って…地下都市のあの病院の隣のホテル…>(南部)
  「ユキがお世話になったところか?」(進)
  <そこそこ。そこのロイヤルラウンジでコースディナー二人分用意してもらって
   るから行ってくれ。さっきのハイヤーがステーションで待ってるから。これは
   俺からユキさんへのお祝いだ。お前じゃないぞ!ユキさんに代わって!>(南部)
 
進が頭を掻き掻きユキに携帯を渡した。歩きながら話してるとステーションのロータ
リーに先程のエアカーが待っていた

  「南部がユキに代わってって。」

ユキは不思議そうな顔をして携帯に出た

  <ユキさん、おめでとうございます>
  「…あ、うん。ありがとう」
  <南部病院の前のホテルの食事をご招待させてもらいます。さっきのエアカーが
   待機してると思うので行ってください。>
  「悪いわ、南部君。」
  <何言ってるんですか、みずくさいですよ。それに二人だけの問題じゃないんで
   すからね!俺らがどんだけいろんな事に絡んでることか!そこからだと30分
   くらいで着くはずですから用意させます。>

運転手が二人の姿に気付いたようで運転席から出てきて後部座席のドアを開けて
二人を待っていた

  <それじゃホテルに連絡しますから。>

そういうと南部はさっさと電話を切ってしまった。ふたりはエアカーの前でどうしよう
か悩んでいると運転手が

  「お二人をお連れしないと私のクビにかかわって参りますので・・」

絶対そうでないとわかるようなにこやかな表情で乗るよう勧めると古代は大きなため
息をひとつしてエアカーに乗るようユキに目で合図した

  「ありがとうございます」

運転手はそういうとドアを静かに閉めた


作品名:yamato… 古代とユキ 2 作家名:kei