yamato… 古代とユキ 2
ユキは進にはヤマトの仲間と自分しかいないことを改めて実感した
「言っただろ?ユキがほかの人好きになっても俺は絶対ユキだけだって。
こうして横にいてくれればいいんだ。ユキ、言ってたよな、幸せにしてもらう
んじゃなくて一緒に幸せになるんだ、って。俺、それ聞いて思ったんだ。
そうだよな、俺ひとりでユキを幸せになんかできないんだって。ユキがいて
仲間がいて…」
「そうよ、古代くんが仕事で宇宙(そら)に行ってても…私、一緒にいるから。
離れてても一緒よ。」
ユキがそっと横にいる進の体に小さな頭を持たれかけた。進もそっとユキの肩を
抱いた。進は自分が宇宙へ飛べばユキが寂しい思いをすることを知っている
「寂しい思いをさせちゃうね…」
ユキの肩の上に置いた手に力がこもる
「お仕事ですもん…それに古代くんにココ(地上)は似合わないわ。」
うるんだ瞳でほほ笑むユキはとてもきれいだ、と進は思った。
「私は大丈夫よ。この一年で何よりも強い絆を見つけたから。地球に帰って
来たら5分だけでもいいから私だけ見る時間を作って。」
1年間も一緒にいたのに二人になると今までにない表情を進に見せてドキっとさせる
「わかった、約束するよ。出張先までゼロで飛んで行くよ。」
「自家用ジェットにするつもり?公私混合だわ。」
進はそっとユキの頭をなでるとイスに座り直し少し冷えた紅茶を口にした
(兄さん、やっぱり俺の方が幸せだよ。)
作品名:yamato… 古代とユキ 2 作家名:kei