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yamato… 古代とユキ 3

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  「……すみません、ではよろしくお願いします。」

真田は医務室の廊下で長官と連絡をとりユキが貧血で倒れて医務室で休んで
いることを伝えた

  「…古代、今大丈夫か?」
  <はい、やっと休憩です。何か?>
  「ちょうどいい、医務室にすぐ来てくれ」
  <医務室ですね?すぐ行きます>

進は嫌な予感がして5分たたず医務室にやってきた。廊下で真田が待っていた

  「忙しいところ悪いな、呼び出して。ちょっとやっかいなヤツが出てきてな」
  「中にいるのユキですか?」
  「ああ、貧血らしく今おとなしく横になってる。お前大崎って知ってるか?」
  「いえ、全く」
  「そうか、まぁエリートくんなんだがどうもユキに想い入れてるらしい。そして
   岡本と同じ眼で俺を見ていた。エリートだがヤツも軍人だ。護身術くらい
   でユキが自分自身を守れるかわからない。」

進は体の中から血の気が引く思いだった

  「今日はタイミングよく幕さんが声をかけたおかげで何もなかったが…
   静かに中に入って顔見せて安心させてやってくれ」
  「はい…」

そう返事しかできず進は真田と一緒に医務室に入った個室に通じる通路を通ると
ひときわ大きな背中が見えた

  「ユキ…」

進が声をかけると幕の内もイスから立ち上がり“お疲れさん”と声をかけた

  「幕さん、ありがとうございました」

進が小さな声でそう伝えると

  「いやいや、大事な班長だからね。」

と言いながら真田と二人個室から出て行った



  「忙しいのよね、心配かけちゃってごめんなさい」
  「大丈夫だよ、休憩時間だし…。ちゃんと寝てるかい?」

ユキの髪を愛おしそうにそっとなでる

  「真田さんから聞いたよ。ゴメン、守ってあげられなくて…出港まであと2週間し
   かないから…俺が乗るのヤマトだけど島も南部も乗らないからどうしてもツメ
   るとこちゃんとツメておかないと心配で…」
  「…大丈夫よ、わかってるわ。ちょっと…怖かっただけ。きっとみんなに守られす
   ぎて平和ボケしてるのよ。私こそしっかりしないと…。万が一の時長官をお守り
   しないといけないのに…」
  「ユキ…」
  「これからはできるだけひとりにならないように気をつけるわ。食事も秘書室で
   食べるか厨房の中の休憩室で食べるようにするから…自分の身は自分で…
   じゃ、ないとヤマトの乗組員でした、って言えないわ。」
 
進はまたユキに鎧を着せてしまうことが辛く重く感じたが

  「そうだな、沖田さんだったらなんて言うかな。」

ユキは幾分よくなった顔色でにっこり笑うと

  「そうだ、ユキ。自分自身を守れないやつは宇宙空間に置いて行くから覚悟しろ
   でしょうね。」

沖田の口調を真似ながらそう言って笑うと上体を起こした

  「大丈夫か?」

支えようとした進の手をやんわり抑えながらベッドを降りて立ち上がると
 
  「大丈夫。私はひとりじゃないから。戻るわ…一緒に行ってもらっていい?」

その不安げな微笑みの中に芯の通った美しさをみた進は思わずぎゅっと抱きしめた

  「古代くん…」
  「信じてるから…ユキを信じてるからな。何があってもユキだけは信じてるから」

ユキは暖かな胸で何度もうなずいた







作品名:yamato… 古代とユキ 3 作家名:kei