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yamato… 古代とユキ 4

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しばらくして進も起きてリビングへやってきた。片手には通信機が握られている

  「おはよ、ユキも長官から連絡あった?」

ユキがうなずくと

  「そっか…昨日のうちに連絡くれれば慌てず三浦から帰ってこれたのになぁ」

さっきうなされていた同一人物と思えないほどリラックスした感じだった

  「おはよう…今日一日ここに缶詰になるのかしら?」
  「うーん、ここにいてもつまらないよな。」

そう言いながら進がテレビをつけた。
相変わらず二人のニュースが流れている。寮と司令部と映像をつなぎどちらも寮に
戻っていないことや司令部にもいないことが延々と言われている。確かにどちらも
姿を現わさなければネタがなくなり静かになるだろうという長官の読みは合って
いそうだった

  「本当に話題がないのね。」

ユキはインスタントのコーヒーをひとつ進に渡しながらそう言った

  「…ありがとう。…そうだね、大したニュースここんとこなかったからね」

ユキは進の隣にちょこんと座るとコーヒーをすすった

  「朝食、どうする?」

進がユキに聞くと

  「外に行って見つかったらきっと何のための休暇だかわからなくなってしまう
   わよね?ルームサービスお願いしようかしら?」
  「やっぱそれが一番だよな。じゃぁ頼んじゃうね。」
  「お願いします。」

いつもとかわらない進をみてユキは進にも抱えてる闇があることを確信した
そしてそれはいつも表には出ないため誰も気付いていないとかもしれない、
ということも感じた。

  (島君なら何か知ってるかしら…)

朝食を注文してる進の後姿を見ながらユキは小さなため息をついた



朝食を食べ終わると何もすることがなくなってしまった二人は何となくソファー
にすわりテレビを眺めていた

  (外野がうるさくなければどこかでかけることができただろうにな…)

進がそう思っているとユキの通信機がなった。ユキが緊張した面持ちで出る
と相手は大崎だった

  〈ニュース、拝見しました。真田さんじゃなかったんですね〉

あの食堂の時と同じ眼をしていた。通信機は携帯と違い周りにいる人にも
しっかり聞こえてしまう。もちろん隣にいる進にもよく聞こえた。進が画面に
出ようとしたがユキがそれを制した

  「大崎さん、これは通信機であくまでも軍の連絡で使うものです。
   すみませんが切ります。」

ユキはいつもの仕事の顔でさっさと通信を切った

  「まさか連絡してくるとはな…」

進は思い切り呆れた顔になっていた

  「ユキ?」

大崎の眼がユキの脳裏に残り否応にも岡本とのことを思い出させる

  「怖い…」

通信機を握るユキの手が震えている

  「ここにいるのがわかったら…きっと来るわ…古代くん、怖い…」
  「ユキ…ここにいるのは誰も知らないはず。知ってるのはヤマトクルー
   だけ。落ち着いて…今日はずっと一緒にいるから。」

進はどうすることもできずただそっと肩を抱いて冷たく震えている手を
そっと包んだ

  (でも俺が行ってしまったら誰がユキを守る?相手は軍の訓練を受けた
   ヤツだ。それなりの技術を持っているはずだ。岡本とわけが違う
   前の傷が癒えないいないのに…)





  「真田さん、すみません。忙しのに呼び出したりして」

進は真田に連絡してホテルに来てもらった

  「イヤ、今日は二人揃って休みだろ?お邪魔じゃなかったか?」

ユキがお茶を運んできて進の横に座った

  「休み、と言っても休め、と言われたんで…」

そう言って進は苦笑いした

  「大崎だろう?」

二人はうなずいた

  「何かあったか?」
  「…たぶん、私の携帯を知らなかったからだと思いますが通信機で
   連絡取ってきました。もちろんコレは軍の連絡用だからすぐ切りま
   したが…」(ユキ)
  「そうか…実は私のところに直接来てな…唐突に
   “あんたじゃないのか!古代はどこだ。”
   って詰め寄ってきてな。連絡先を教えろって言ったがそんなの
   教えられないと言って断ったんだがまさかユキの方へ行くとは
   思わなかったな。」(真田)
  「真田さん、今後なんですが俺がココにいる間は大丈夫だと思うん
   ですが…」(進)
  「そうだな、お前が行っちまったら大崎はなんかしらの行動に出る
   かもしれん。」(真田)

長官には護衛が付くがまさか秘書に護衛が付くわけはない。










作品名:yamato… 古代とユキ 4 作家名:kei