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yamato… 古代とユキ 5

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ユキは南部と太田と食事をしていた

  「ただいま、おそくなってごめん」

進が戻って来たのでユキが出迎えると

  「南部くんと太田くんがきてくれてるの」

と言った時奥から

  「「おじゃましてまぁす」」

とそろって挨拶した

  「太田お帰り、お疲れさん。南部、朝はありがとう。助かったよ。仕事中も
   誰もその件を聞いてくるヤツいなくて仕事もはかどったし」

進がユキの席の隣に座りながらそう言うと

  「どうせお前の事だから戦闘モード全開で仕事してたんだろ?怖くて誰も
   近づかないよ」

南部がそう言った

  「そうかなぁ?…まぁいいさ。ところで今日、護衛、警護の…見たか?」

ユキはなんのこと?と言った顔だ

  「ユキは明日長官から聞くと思うけど…例の各大陸の大統領と軍の司令官
   が来日する時の護衛だけど…長官に大崎が付くようになってる」

進の一言にユキが固まるのを見て太田はわかった

  「でもユキ、相原が一緒だから大丈夫だ。」

進は少しホッとした顔になって

  「相原と俺はコレ(腕時計を見て)これで繋がってる…何かあればすぐ連絡
   くれるはずだ。」(進)
  「それとよく似たものを見たことあるわ…そう、島くんもしてる」

ユキは思い出したようにつぶやくと

  「本当は宇宙羅針盤と時計を兼ね備えたものなんだけどイスカンダルの帰りに
   余りにも暇だったからちょっと改造して通信機能を加えたんだ。だからこれは
   俺と島、相原と加藤、山本と通じてるってわけ。今回の護衛は大掛かりで
   月基地に行ったコスモタイガーの一部がこっちに来るんだ。多分その中に
   加藤と山本もいるはずだ。ユキに昨日渡した発信機もこれに通じてる。
   端末がなくても大丈夫ってわけ。
   ユキは相原から絶対に離れない事。相原にも言っておいたが二人で長官を
   守るんだ。今地球はほんの少しの富の奪い合いが生じている。ここらで
   大きないさかいが起きても不思議ではない。そのあたりはユキもよく知ってる
   事だとは思うが…いつ身の上に危険が降りかかってくるか…」(進)

進もユキの事を想うと心配だが仕事に私情を入れてはいけないと思っているので
それ以上のことは言えなかった

  (誰にも見られないようにどこかへ隠してしまいたいのに…)

本音を胸にしまいそう言うことしかできなかった

  「ユキさん、大丈夫ですよ、俺らクルーが誰かしらそばにいますから。絶対
   一人にはしません。」

いつもは茶化す南部の顔も真剣だった

  「南部と太田には通信機にユキの発信機が通じるように設定されてるから
   万が一の時は頼むな」

進の真剣な顔に南部と太田はうなずいた



食事が済み護衛のポイントを4人で確認すると太田が金星から戻ってきたばかり
と言うこともあって太田は寮に戻って行った

  「じゃぁユキさん、後は古代に見立ててもらってよ。」

南部が立ち上がると

  「だめよ、南部くん。古代くんじゃ見たってわからないわ…どれを着ていけば
   いいかしら?南部くんはよくお父様の代わりにパーティー出てるからなんと
   なくわかるでしょう?」

南部はリビングの扉に掛けたドレスを見ながら

  「ユキさんにはこの深い藍色のドレスがいいと思いますよ。これ、ほら、帽子も
   付いてて…これなら胸元のネックレスが目立ちますし…あまり体にフィット
   してると護衛用のコスモガンがみえる可能性もあるからこれくらいのAライン
   が丁度いいと思います…どうかな?古代。」

すこしサテンのような光沢のある生地で上品に仕上がっているそのドレスは
胸元も深く開いてるわけでなく背中も少しあいてる程度なのでとても品良く仕上
がっていて共布で前頭部に乗せるような小さな帽子がありやはり同じ生地で
後ろにリボンがあしらわれていた

  「古代くん、これでいい?」

ユキが聞くと

  「うん、ユキに似合いそうだよ。バッグはあるの?」

進が聞くと

  「靴からバッグまでそろってますって。靴は合うかなぁ…一応3セットあったから
   持って来たけど…」

そう言って箱から出すとユキの前にそろえて置いた

  「南部くん、なにからなにまでごめんなさい…あ、これピッタリかも」

一番小さなサイズがユキに合った

  「OK。じゃぁコレ、預かりますよ。フロントに預けてパーティー当日長官秘書室
   に届けさせますよ。こんなの持ち込んだら目立つでしょ」

南部は手際よく箱に詰めると“じゃぁ”といって部屋を出て行った



作品名:yamato… 古代とユキ 5 作家名:kei