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yamato… 古代とユキ 5

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  「森です。よろしいでしょうか」

久々の中央病院のラボ棟へ来た。ヤマトが飛ぶ前ここで佐渡に会ったところ…
でも岡本とのこともありいい思い出だけではない…


インターフォンを押しながらそう言うと扉が開いて50代に近い男性が立っていた

  「初めまして…どうぞお入りください」

モリタはそう言うと応接室へユキを案内した

  「お座りください」

ラボにはソファーが置いてあった。ユキが座るとモリタも座った

  「このたびはおめでとうございます。」

モリタはにこやかにそう言った

  「ありがとうございます」

ユキは少しテレながらも素直にそう言った

  「テレビで見るたびに立派になったなぁって思うんですよ。あんなに
   小さくてでも必死になって頑張ってた進くんが、ってね。」

モリタはそう言いながらゴソゴソとジュースを袋から出した

  「コーヒーがこの部屋にはなくて…これで勘弁してくださいね」

にこやかに笑うモリタにこちらもつられて笑ってしまう

  「ありがとうございます。コーヒーは朝飲んだので…ジュースの方が
   嬉しいです遠慮なく頂きます」

そう言うとユキは素直に受け取った

  「進君は元気ですか?」

にこやかにモリタが尋ねる

  「えぇ…最初はずいぶんぶつかりました。ヤマトの中でよく言い合った
   ものです。まわりは喧嘩をしてると思っていたほどだと後から言われ
   ましたが…」(ユキ)
  「あの進くんが女性と言い合ってるところ、見たかったなぁ…余り女性
   の話は聞いたことなかったからなぁ…まぁ私が診ていたのは初期の
   頃で安定してからは月基地へ言ってしまったので報告しか聞いて
   いないのですが…それでも地球に戻ってくると必ず顔を出してくれ
   ました。律義な子でしたよ。彼も被爆しなければ全く別の人生が
   あったはずなんですが………でもそれは誰にでも当てはまる言葉
   ですよね。きっと森さんもあの遊星爆弾がなければまた違う人生
   のはずですよね。」(モリタ)
  「…えぇ…たぶん、当初の予定通り医師になっていたと思います。」

ユキは“こんな私になれたかどうかわかりませんが”と付け加えた

  「進君は…今も苦しんでいますか?」

モリタの言葉にユキが顔をあげた

  「進君は随分ご両親の事で自分を責めていました。後からお兄さんが
   亡くなった事を聞きました。たった独りの肉親を失いどうするのかと 
   思っていた矢先ヤマトに乗って行ったと聞きました。そして帰ってきて
   テレビで観た進君は以前の進君とは別人のような顔になっていま
   した。こう、…精悍、といいましょうか、少年が青年になった感じ…
   でしょうかね…。ちょっと寂しさを感じたのは小さな頃を知ってるから
   だと思います。」(モリタ)
  「古代くんはずっと自分を責め続けています。苦しんで苦しんで…
   たった一人で耐えています。私はそれを見てることしかできません
   どうしたら古代くんの心を軽くすることができるのか…そばにいて
   何もできないって私もつらくって…もともと看護師なのに…たくさんの
   事を学習してきたのに何もできない自分がいてとても辛くって…」

ユキは涙をこらえて言葉を繋げる

  「夜中に夢の中で必死になってご両親を探しているんです…それも
   叫びながら…私古代くんが被爆治療の…って知らなくて…後から
   聞いてすみませんが職権乱用でカルテをみました。とても切なくて
   涙が止まりませんでした。守さんの事や訓練予備生のみんな…
   今回の航海で島くんや相原くん、みんな一緒でした。
   思い切って島くんに聞いたんですが待っててほしいと、古代くんが
   自分で話すまでそっとしておいてあげてほしいと言われて…
   でも古代くんの心の底には13歳で止まってしまった古代くんが
   いて…いつか心の病気になってしまうんじゃないかと…」

ユキの膝に涙が落ちてきた

  「今まで封印していた心の蓋が軽くなってきたんでしょう。今までは
   どうしても封印しなくてはいけなかったけどあなたがいて仲間が
   いて…ひょっとしたら自分を許し始めてるのかもしれない。
   最近の行動で以前と変わったところ今まで聞かなかったけど話し
   始めた事はありませんか?」

モリタはユキをいたわるように聞いてきた

作品名:yamato… 古代とユキ 5 作家名:kei