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yamato… 古代とユキ 6

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  「…ごめんなさい…悪いけど…時間がないんだ!」

子供のような喋り方の寝言が聞こえてユキは隣の寝室へ向かった
そっと扉を開けると右手は喉を押さえ左手は宙を掴むように泳いでいた

  「僕とうさんとかあさんを探さないといけないの。君たちを助ける時間
   ないんだ。ごめんなさい!」

閉じた瞳からはとめどなく涙が流れている。その間にもごめんなさい、を
繰り返していた

  (三浦へ向かう途中の夢を見ているのかしら)

ユキがそっと宙をさまよう左手を掴むと

  「ダメだってば!時間がないの!こないで!!」

そう言ってすごい力ではねのけた

  (古代くんの脳裏に焼き付いてる恐ろしい風景が時々蘇るのね)



  「進、進、ここよ、助けて、かあさんよ」

ユキが母のフリをして進の左手を握ると

  「かあさん、そこにいたんだ…気付かなくてごめん。けがはない?」

ユキが涙を拭いてあげると

  「よかった…怖かったよ…とうさんは?」

ユキは何も考えてなかったので一瞬戸惑ったが

  「先に地下に向かったわ。かあさん進を探しに来たの」
  「そうなんだ…かあさん、大変だったでしょ?ごめんね、リニアを
   おくらせたから…僕らも地下都市に避難しようよ。」
  「そうね、行きましょう…」

ユキが涙を流しながら進の相手をすると進はにっこり笑って静かな
寝息を立て始めた

  (何かきっかけがあってこの夢を見るのかしら?)

ユキは今日一日の事をよく考えてみた。特別いつもと変わった様子は
ない。今日は特に仕事で久々に全員がそろって反対に落ち着いていい日
なんじゃないかと思うくらいだった。

ユキは癖っ毛の髪をそっとなでてから進の寝ている部屋を出た








  「はい」

長官室の秘書室で相原と詰めているとノックの音がした。ユキが出ると
届け物が届いた。

  「森ユキさんですね?明日の予定でしたが南部様からの預かり物を
   お届けにあがりました。」

大きな箱を受け取るとユキはドレスの事を思い出した。前以て受付に
届け物があると伝えておいたのだった

  「はい、ありがとうございます…」

そう言って受け取るとドレスの割に重い気がした。おかしいと思い相原の
顔を見ると相原も異変を読み取り相原がそれを奪うように受け取った

  「…これはどこで受け取ったものですか?」

と聞くと届け物を持ってきた男はわけもわからず

  「いや、裏口に届いていましてメモがついていました。そのメモがこれ
   で…」

そう言いながらメモを見せた。

  「一応危険物がないか検査はしましたが…」

相原は通信機で真田を呼んだ

  「真田さん、ユキさん宛てに荷物が届いているんですが気になるので
   見に来ていただけませんか?」
  「…わかった、すぐ行く」

真田は今セッティングしてる仕事をヤマトで一緒だった新米に任せて
長官室へ急いだ

  「危ないので…」

長官は大崎と一緒に留守にしていたので長官室へその荷物を静かに
置くと荷物を運んできた男とユキと相原は廊下で真田を待った


しばらくすると真田が息を切らせて走ってきた

  「すみません、忙しい時に」(相原)
  「いや、なんでもなければいいんだ。確認は必要だからな。」

真田がそう言って相原が手に持っているメモを見つけた

  「それは?」(真田)
  「ユキさん宛ての荷物に付いていたメモです。南部が持ってきてたら
   絶対届けると思うんですよ。それにこの字は南部じゃない。もし
   南部だったらこんなメモ紙使わないと思うんです。もっとしゃれた
   ものに書くと思うんです。」

相原が真田にメモを渡しながら言った

  「確かにそうだな…でもこのドレスのこと知ってるのクルーだけ
   だよな…」

真田は不思議がった。もし知ってるとしたら盗聴しかないと思った

  「荷物は?」

真田がきくと相原が長官室を見て

  「奥に置きました。有事になったら長官に申し訳ないと思ったの
   ですが…ここは普通の作りより少し頑丈にできています。万一
   爆発物だったとしてもあそこならその部屋だけで済むと…」

相原がそう言いながら長官室の扉を開けた

ユキと届けてきた男は二人の会話を聞きながら後ろにいた









作品名:yamato… 古代とユキ 6 作家名:kei