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yamato… 古代とユキ 7

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  「あれ?ユキ待ってたの?」

進がTシャツに短パンという格好で頭を拭きながらリビングに入ってきた

  「ううん、待ってたわけじゃないわ。眠たくなかっただけ」

ちょっとユキが意地悪そうに言うと

  「なあんだ、待っててくれたのかなぁってちょっと嬉しかったのに」

ユキは水田の事を聞こうか迷っていた。

  (古代くんの事が知りたい…でも知らない方がいい事もあるかもしれない…)

せっかく一つの事が終わってホッとしてる時にこの話題を出していいものか、とも思っていたがこのもやもやした気持ちのまま進を上(宇宙)へ快く送り出せそうもなかった。進が上(宇宙)へ行くのは一週間後…

  「ねぇ?ちょっと聞いていい?」

ユキは勇気を振り絞って聞こうと思った

  「古代くんの初恋っていつ?」

不安な気持ちを抑えつつちょっとおどけるような感じでユキは聞いた

  「初恋???????」

進はうんと前の記憶を遡るかのように天井を見ながら考えていた
そのうち腕を組んで唸りだして下を向いて首を振り始めた

  「首を振る回数ほど初恋の人がいたの?」

クスクス笑いながらユキが聞くと

  「そんなにいっぱいあったら初恋じゃないじゃないか。初恋ねぇ」

するとハッとした顔をした後今まで見せた事のない表情を見せた

  「初恋…なのかなぁ…よく分らないや…」

懐かしい顔を思い浮かべて悲しそうな顔を見てユキは聞いてはいけなかったのかと思った

  (チーフ…)

進は水田の事を思い出していた。自分の事を好きだ、と言ってくれたが
自分はその気持ちを封印してしまった事…だけどユキの前に好きだった
人は誰か、って聞かれたたらまだ少年だった進を受け入れてくれた水田
だった。

  「古代くん?」

ずっと考え込んでる進にユキは声をかけた

  「ごめんなさいね、変な事聞いちゃって…誰にだって言いたくない
   事あるわよね?古代くんの初恋の人ってどんな人だったのかしら
   って気になっちゃったの。私の知らない古代くんを知ってるって
   ちょっとくやしくって…」

ユキは直感で水田と進の間に何かがあったと確信した。

  「私、疲れてるのかな…横になるわ。おやすみなさい」
  「ユキ!」

進はユキの左腕をとったが

  「古代くんも疲れたでしょう?」

そのユキの表情が悲しげで腕を放してしまった








  (水田優子…)

ユキの心の中で初めて生まれた感情があった

  (このもやもやしたもの…嫉妬心?)

両親の寝室に逃げるように駈け込むと部屋の隅にもたれかかるようにくずれた

  (過去は変えられないのに…判ってるのに…今古代くんは私を好きでいてく
   れているのに…私はどうしたらいいの?)

ユキは声を殺して泣いた



進はユキの入って行った部屋をただ見ることしかできなかった。
ユキの瞳が余りにも悲しそうで掴んだ左腕を放してしまった。
進の心に大きな隙間風が吹いた。今まであんな悲しそうなユキの顔を見たことがなかった進はどうしたらいいのか判らなかった

  





  「ユキ?」

進はそっとユキがいる部屋の扉をノックした

  「どうしたの?急に…」

ドアノブに手を掛けると鍵はかかっていなかったので静かに扉を開いた

  「入るよ?ユキ、大丈夫?」

部屋は電気が点いていなくて開いた扉から一本の光の筋ができた

  「電気くらい点けたらいいのに」

進がスイッチを入れようとした時

  「…点けないで」

小さな声だったがユキの声が聞こえた

  「こんな私を見ないで」

涙声だという事は判った。進は声の方へ足を向けた

  「…来ないで」

ユキの声はすぐそばだった。進はユキの横に座った

  「ユキ?」(進)
  「………」(ユキ)
  「今、ユキしか見えない、ってだけじゃダメなの?」(進)

ユキは涙を拭いたが次から次へとポロポロあふれてくる

  「泣かないで…」

進はそう言うとそっとユキを抱きしめようとしたがユキは抵抗した。
でも進は強引に抱きしめた

  「イヤ…」

それでも抵抗するユキを進はそのままユキを押し倒すとTシャツを脱いだ

  「こ…」

ユキは進がシャツを脱いでいるうちにここから逃れようとしたが進はユキをまたいだままでシャツを投げると両手を押さえ荒々しくユキの唇を塞いだ



作品名:yamato… 古代とユキ 7 作家名:kei