二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

yamato… 古代とユキ 7

INDEX|11ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

長い長いキスでユキは息が出来なくて必死になって抵抗した、が鍛え上げた進の力にかなうわけがない

  「いつになったらユキの心は俺に向くの?俺はいつまで待てばいいのかって
   思いながらずっと一緒にいたんだ。」

長いキスの後進が声を殺しながらそう言った

  「待つってすごい辛いんだよ…。」

そう言うとユキの手を放して部屋を出て行った





  (ごめんなさい…私、自分の事ばかりでなにも見えていなかった)

ユキはひとり床の上で小さく丸くなって泣いた






  (ユキ…ごめん…)

進は扉を出てそのまま立ち尽くしていた。
喧嘩するためにここに来たんじゃない。ただ二人で何もしない時間がほしくてここへ来ただけだった
ユキの心が本当に自分だけに向いて全て委ねてくれたら…ユキが自分の胸に飛び込んでくるのを待っているのに…

  (水田さんの事、ユキが知るわけないよな?)

ふと進は気になった。チーフとの事は誰にも言っていない

  (チーフには悪いけど今、俺はユキが好きなんだ。それを判ってもらうためには
   どうしたらいいんだろう…)

進は心の中で小さくため息をつくと自分の部屋になる予定だった部屋に布団を敷いて横になった






  「キミは誰?」

進が話しかけてる声でユキは起きた

  「キミ、キレイだね。地球にそんなきれいな人いないよ?ねえけがはない?」

ユキは進の部屋に入った

  「ふうん、これが通信カプセルなんだ。再生できるかな?」

進が何か受け取ったようで眼の前でくるくるさせている

  「サーシヤ、って言うの?」

ユキはその名前を聞いて驚いた。スターシアさんの妹の名前だった

  「なぜしゃべらないの?…………消えた?消えちゃったよ。島、見たか?まぼろし
   じゃないよなぁ?俺が持ってるカプセル…今サーシアさんからもらったんだよな?」

進は少し静かな寝息をたてていたが

  「そっくりだ…島、見たか?そっくりだぜ?」

めずらしく意気揚々としていた

  「生き写しってこの事か?名前見たか?Mori Yukiって出てたぞ。」

ユキは自分の名前が出てきてびっくりした

  「え?そりゃ…僕だって男だからなぁ…でもお前だって…」

少し照れた様子で進が頭を掻いていた

  (島君にからかわれてるのかしら?だとしたら不時着してけがした時の夢かしら?)

  「今はそれどころじゃないのわかってる…」

  (恋愛どころじゃない、ってことよね?水田さんの時と一緒じゃない。そうだわ、
   古代くんは両親のかたきを取るために訓練学校へ来たんだもんね。)

ユキは進の頭をなでた

  「ユキ、ユキ…息をしてくれよ。俺を一人にしないでくれ…せっかく兄さんが
   生きてて、もう会えないかもしれないけど一人じゃないってわかったけど
   一生会えないかもしれないからやっぱり俺って一人だから…ユキがそばに
   いてくれる一生の人、って思ってたのに…地球に戻ったら告白しようと思って
   たのに…地球はもう目の前なんだよ?それなのに…どうして?真田さんが
   止めたのにどうして聞かなかったんだ?ユキのいない地球で俺はどうやって
   生きていけばいいんだ…」

進が静かに横たえられてるユキ遺体の前で繰り返しユキに話しかけていた言葉だ

  「水田さん、ユキを追い返してください。今からでもいい、追い返してください
   それがだめなら俺をそっちに連れて行ってください」

進は泣いていた

  「地球が見えてきたって俺には何も見えない…ユキに地球が見えないのと一緒だ」

ユキは自分が仮死状態の時の進の心理状態を考えると何も考えられなかった。
そこまで自分の事を好きでいてくれていたなんて思いもよらなかった

  (私は古代くんのどこを見てきたんだろう…こんな気持ちじゃ一年という長い
   古代くんの仕事、待てないわ…。)

  「沖田艦長…俺はそんなに強くなれない…もうどうしていいかわからない…。
   せっかく生きていこう、って思えたのに…沖田艦長…せめて艦長が元気で
   とうさんのようにいつでも相談に乗ってもらえたら違うんだろうけど…艦長も
   いつまでもつかわからない…ひょっとしたら地球まで持たないかもしれない」

ユキは我慢できなかった

  「古代くん、起きて!私、生きてるから…生きてるの!お願い、起きて!」

ユキは寝ている進をゆすって起こした






作品名:yamato… 古代とユキ 7 作家名:kei