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yamato… 古代とユキ 7

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男は突然壁に向かってレーザーガンを構えるとひとつひとつモニター
目掛けて撃ち始めた。

  「男がモニターを撃ち始めました!」

新米が叫ぶように報告した

  「ユキ…」

真田がつぶやくと雑音混じりの人の声が左腕からしてきた

  (ユキ、よくやった!)

まだ撃たれていないモニターがユキを映していて手にはハンカチが
握りしめてあった。その姿を確認するとモニターは全部砂嵐になって
しまった。

  (ここから先はユキの音声のみ、だな。)

真田の頭はどうやってユキを助け出すか、でフル稼働し始めた




  (私のコスモガンはまだばれていないはず…)

男は総勢10名で全員空間騎兵隊の格好をしていた。そしてシムは武器を
持っていなかったのでそのままだったがケリーともう一人のSPは
隠し持っていたコスモガンを取られてしまった。

  <アンタも腕、よさそうだな…ちょっとそのバッグ見せてもらおう>

ユキが大事そうに抱えてたバッグをひったくるように下っ端が取り
中身を確認した。中身は口紅と通信機と携帯が入っていた

  <アニキ、武器は入ってないけど通信機と携帯が入ってるぜ>
  <そうか、じゃぁ使えないようにしちまえ>

リーダー格の男がそう言うとユキのバッグを持っていた男は通信機と
携帯を床に置くとレーザーガンの狙いを定めてパシ、パシ、と撃って
壊してしまった

  <さぁ、お嬢さん、どうする?これで連絡取れなくなっちゃった
   古代進もこれないよ?>

男はカラになったバッグをユキに返した





  「真田さん、どうしたら…」

新米もオロオロした


  「中の様子も見れなくなってしまったし…やっぱりモニターいくつ
   かは見せないでおけばよかったですよね?」

新米は目の前で起きてることが信じられなくて落ち着きがなかった

  「新米、落ち着け。俺らが焦ったらユキに通じてしまう。ここは
   ひとつゆっくり息を吸って吐いて、を繰り返してろ。」

真田は進を見た。見た目は平静を装っているが内心は一番に飛んで行きたい気持ちだろう




  「ユキさん、大丈夫ですか?」

ケリーが耳元で声をかけてきた。ユキは異星人にとらえられた事がある。
それを思えば相手は地球人、壁一つ隔てればヤマトの仲間がいる…

ユキは不安そうなケリーを勇気付けるかのように

  「私は大丈夫です。私とあなたがしっかりしないとこの危機は脱する
   ことができないはず。しっかり頼みます。」

ケリーはキョトンとした表情だったがなんとなくニュアンスは伝わったようだった


ユキは会場を占拠した連中が英語で話してるのを聞いたのと一緒に拉致されてるのが南米の大統領だったので少し田舎訛りのポルトガル語でそう話した。南米の大統領とSPは驚いた表情をしたがユキの顔を見ると安心したのか少し緊張のほどけた顔になった。

  (今の言葉きっと相原が通訳してくれるはず)

ユキは本部の方向を見た





  「ユキさんがポルトガル語で話しています。それぞれにしっかり
   するようにといってますね。多分一緒にいるのが南米の代表と
   いうのもあるでしょうが相手が先程から英語で話してるので
   同じ言葉で話さないよう注意してるのでしょう。ポルトガル語
   も少し田舎の言葉が混じっています。さすがはユキさんですね。
   冷静です。」

相原の言葉を聞きながら自分のところにも流れてくるユキの言葉…
きっと握りしめながら話してるのだろう、緊張感がひしひしと伝わった





 
作品名:yamato… 古代とユキ 7 作家名:kei