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yamato… 古代とユキ 7

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  「森ユキ」

突然ユキは犯人グループから呼ばれた。ユキは返事をしないで顔だけを
リーダー格の男に向けた

  「彼氏は援けに来るかねぇ…」

ゴークルの下から口許だけが見えてニヤっと笑うのがわかった

  「あいつはさぁ…死に損なったヤツだろう?」

ユキの眼がきつくなる

  「そんな死に損ないにアンタなんかもったいないからさ。俺がアンタ
   をもらってやろう、って思ってるのさ。」

男はユキに近付くとケリーがユキの前に出たが“ジャマだ!”と言って
レーザーガンの銃口で払いのけられユキの前に座った

  「キレイなお顔ですねぇ…この怒った風の顔もまたいい…」

ユキは目をそむけずじっとその男の眼を睨みつけた。その男の眼も岡本と
大崎と同じ目をしていたがユキは負けじとじっと睨み続けた

  「今すぐ、何するわけじゃない…後でゆっくりとお話でもしましょう」

男はユキから目をそむけると立ち上がって元の位置に戻った。ケリーも
起き上がって男を睨んでいた

  「ケリーさん、大丈夫ですか?」

ケリーはただうなずくだけだった









  (誰だろう…)

この男は俺を憎んでいる…と思った。被爆当時自分自身は何も思わなかったが同じように被爆していても手当てのかいもなく死んでいった人はいただろう、その人たちがちゃんと治療を受ける事が出来たのか、何も知らなかった。

しかしそれを知ったところで自分に何ができたのだろう…

  (俺はたまたま軍の偵察機が発見してくれたから治療が受けられた…
   とするときちんと順番を待って診察を待っていた中で手遅れになって
   しまった人がいたとしたら俺は恨まれる対象になって仕方ないのかも
   しれない…)

進はいろんな事を考えていた

  「古代…」
  「真田さん…俺は…」

真田は進を廊下に連れ出した

  「古代、お前が助かったのはお前が生きようとした生命力だ。いいか?
   軍が見つけてくれたおかげもあるかもしれない。でもすでにその時
   被ばく量が致死量を超えていた、って守が言っていた。お前は軍に
   よって助け出されたかもしれないが自分の力で生き抜いたんだ。
   そこを勘違いするんじゃないぞ。俺は守からお前が病院にいたときの
   事、全て知っているんだ。」(真田)

真田はそう言うと進の肩を掴んだ

  「いいか?今はユキを救うことだけを考えろ。相手は地球人だ。
   きっと助け出す!いいな!」

真田はそれだけを言うと部屋に戻った

  「ユキ…」

進は時計を見た。何も話すことはないのか通信機からは何も聞こえない…
時折誰かが歩いているのかコツコツと足音がする程度だった




  (どうしたらいいかしら…)

ユキはハンカチを握りしめながら考えた。空間騎兵隊の格好をしてる男は10人、
ユキたち4人を囲っているのは4人、リーダー格の男の横にいつも二人いてあとは
部屋の3つの扉に一人ずつついている。

ユキはハンカチを握りしめる振りをして相原に情報を送り続けた。ヤマトの中でよく
使っていたモールス信号を使って…。でもユキが情報を送り続けてる事がばれると
人質としている他3人に何かあったらいけないのでヤマトのメインクルーと新米だけ
がいた。もちろん全員に盗聴器がついていないかのチェック済み。



  「ねぇ」

ユキがリーダー格の男に声をかけた

  「あなたは何がしたいの?なぜこんなことをしているの?意味があるの?」

誰もが聞きたかった事だった

  「あぁ…そう言えば何も話してなかったな…俺らはな、古代進が憎いんだよ。」
  「古代くんが?なぜ?」
  「あいつはなぁ一番いい治療を受けられて普通なら死んじまう状態だったのに
   最高のチームのおかげで助かった。…でも、俺の弟は誰も何もしてくれなくて
   助からなかった。不公平じゃないか!なんで俺の弟が…あんなに元気だった
   のに…元気だったから治療は後回しにされて…俺の弟が古代進と同じ状態
   だったら絶対助かったんだ。兄貴が優秀だったから、って…それも理由の一つ
   かもしれないけどよ。」

男の眼はゴーグルで見えなかったが明らかに声が上ずっていた

  (泣いてるのかしら?)

  「だから俺はヤマトを認めない!一体何人をあいつは犠牲にして地球に戻って
   来たんだ?あいつは何体の死体の山を築いてきたんだ?
   で、あんたはさ、キレイだろ?そんなヤツと一緒になったらあんたも同類にな
   っちまうから救ってやろうと思ったわけ。」






作品名:yamato… 古代とユキ 7 作家名:kei