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yamato… 古代とユキ 7

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  「おはよう」

進が先に起きていて紅茶を入れるためにお湯を沸かしていた

  「おはよう…昨日はありがとう。その後はちゃんと眠れたわ」

ユキが真っ赤な目でお礼を言った

  「もうすぐ朝食が届くから座って。その前に紅茶のもう。もうすぐお湯、沸くから。」

“コーヒーはインスタントしかないし紅茶もティーバッグしかないけど”と言いながら
お湯をカップに注いでいる

  「ユキ、今日ゆっくりなんだろう?ちょっと散歩でもしないか?」

時計は7時半を指してた

  「気分転換しようよ。午後は一日エアポートだろ?今日あたりSPうじゃうじゃだと
   思うから今のうちだけだよ?まったりできるの。」

そこへ朝食が運ばれてきた。テーブルに朝食が並び“いただきます”と言って食事を
始めた

  「ここんとこ司令部とホテルの往復だけだろ?どっか行ってお茶もしてないし買い
   物だってしてないだろ?散歩でもいいしモールに行ってウィンドウショッピング
   でもいいし。」

ユキは進の話を聞きながら“そうね、散歩行こうかしら”と返事をした


久々に二人の間の時間がゆっくり流れた。朝食を早々に済ませると二人はあても
なく散歩に出た


時間は8時過ぎ、どこからともなく子供の声が聞こえてくる。ちょうどスクールバス
が通る時間だったらしい。親もいるがそこにヤマトの二人がいるなんて誰も気付か
ない。いつも早足で歩く二人だったが今日はゆっくり歩いていた



  「かわいいわね」

ユキがすれ違ったベビーカーの中にいた赤ちゃんの顔を見てそう言った

  「きっとご両親もユキの事そう思ってたと思うよ。ユキの小さい時の写真、見た
   事ないけどすっごいおすまししてて表向きはおとなしそうに見えるけどすごい
   ガンコで何言っても聞かないプチ女王様、だったんじゃないかと想像するね」

進がちょっと意地悪そうに言うと

  「古代くん?」
  「ははは、心当たりあるだろ?そうじゃなきゃそんなに怒らないもんな!」
  「もう!」

ユキはちょっと怒ったふりをしたがちょっと後ろを振り返って

  「お母さん、ってどんな感じなのかしら?おなかの中に子供がいるってどんな
   感じなのかしら?不思議ねぇ、人間の体って…だって私の体から生まれて
   きても私のコピーじゃないのよ?全く考え方も性格もちがう人間が生まれて
   くる…って不思議じゃない?」

看護士らしからぬ言葉だなぁと進は思ったが改めて思い返してみるとその通り
だな、と思った

30分くらいゆっくり歩いていたがそろそろUターンして戻ろうと言う事になり行き
のルートとは違う少し遠回りの道でホテルに戻ることにした











  「おはようございます」

ホテルのロビーで藤堂と一緒にエアカーにユキは乗り込んだ。藤堂の勧めで進も
一緒のエアカーで司令部に出勤させてもらった




  「朝から一緒に散歩とは仲がいいなぁ」

藤堂がしみじみ言うと

  「ちょっと運動不足かな、と思う節もありまして…今日の夜からしっかり自主訓練
   をします。」(進)
  「ユキもかね?」(藤堂)
  「当然です、なまっちゃいますからね」

ユキの答えなど聞かず進が答えると

  「え?私に選択権なし?」

藤堂はユキの疲れも少し取れたな、と安心したのだった






  「ご帰宅中何事もありませんようお気をつけてください」

エアポートで藤堂とユキは見送りのため二人でジェット機の下で見送りをしていた
もちろんマスコミはうじゃうじゃいる。

最初に戻っていったのは南アフリカ大陸の大統領とファーストレディだった

それから1時間に一本のペースでチャーター機は飛び今度はヨーロッパの大統領
とファーストレディが乗り込もうとしていた

  「いろいろありがとう。あなたの勇敢さに私は感動したわ。何かあったら相談して
   力になれるかもしれないわ。」

ミラはユキの耳元でそう囁くとけがちゃんと治してね、と言って機上の人となった

  「誰もかれもユキのファンになってしまうな。」

藤堂は嬉しそうに言った



  「ありがとうございました。あなたはどこでポルトガル語を勉強したのですか?
   あの訛も完ぺきでした。」

南アメリカの大統領のシムがユキに握手を求めてきた。

  「あなたはとてもすばらしい、その勇気ある行動に感謝しています。今度本国
   へご招待します。あなた一人、とはいいません。すてきなフィアンセとご一緒
   に…ぜひお待ちしております」

ユキが握手に応じると一斉にフラッシュがたかれた。

 



作品名:yamato… 古代とユキ 7 作家名:kei