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yamato2  それから 1

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  「どう?様子は?」

モリタが進の部屋にやってきた。

  「そうですね、最初に比べたらずいぶん痛みが引きました。」

進がそう言うと

  「そうか、よかった。だけど点滴にまだ鎮痛剤が入ってるからコレしないと
   痛みが出る、って事だからね。飲み薬もしっかり飲んでもらわなきゃ…
   だよ?ユキさんは…っとずいぶん顔色が良くなったね。とにかく安静に
   してないと骨折したら大変だからね。地球の重力とヤマトの重力は同じに
   してあるけどやっぱり地球の重力の方がずっしりくるらしい。多分二人は
   そこに関しては自分の体でしっかりわかってると思うけど佐渡さんから
   もう一度ちゃんと伝えてほしいと言われてね…とにかくあの二人は無茶
   ばかりするから…って。」

まだ何か言いたそうなモリタに進が

  「先生、南部が…」

と、言うと

  「そう、さっきね…でもまだ予断を許さない状態だからね。もうすこしICU
   にいてもらうようになるかな。彼は佐渡さんが診てて絶対別のドクターに
   任せないんだ。最後まで自分で診たいって事なんだろうけど…残り4名も
   随分良くなっていつ目が覚めてもいい状態だ。最悪の結果にはならない
   から安心しなさい。」

モリタの言葉を聞いて進はほっとした。

  「じゃぁまた明日様子を見に来るからね。」

モリタはにこやかに手を振って進の病室を出て行った。

  「よかった…意識が戻って…だけど…」

ユキは島の意識が戻らない事が心配でしょうがなかった。



ヤマトが帰って来て2、3日すると一般病棟に移るクルーが出始めた。真田と相原と太田も随分良くなってきたので一般病棟に移ったがこれからの事を相談したいとの事で一緒の部屋にしてもらっていた。

  「じゃぁ、古代…俺らは一般病棟に移るからな…無理するなよ」

真田が声を掛けると

  「いいなあユキさんと一緒で…古代、介護にはまだ早いぞ?」(相原)
  「ははは、古代、おじいちゃんになっちゃったのか?」(太田)

二人はふざけてそう言った。

  「ふん、何とでも言え!全く…それより真田さん、無理しないで下さいね。
   ヤマトの修繕計画入院しながらやるって本気ですか?」

進は真田の体が心配だった

  「ん?俺は何かしていないと却って体の調子が悪くなる…それにヤマトを
   人頼みできないだろう?それにすでに修繕後の予定ができてるそうだ。
   人使いが荒いな、と思うがヤマトが復興のシンボルなんだ。地球市民は
   ヤマトが飛べば復興が順調だと思うだろう、という事でな…だから古代、
   早く体を治せ。ヤマトで一緒に飛ぶぞ。」

三人はがっちり進とユキと握手をすると進の部屋から出て行った。



しばらくしてモリタが回診にやってきた。

  「三人が一般に移っちゃって寂しいでしょう?」

進の様子を見ながらモリタが言った。

  「背の高いひょろっとした男の子…あの時の子、だよね。後最後に運ばれて
   来た子…随分立派になったね。まさかあの時の子が一緒にヤマトに乗り込
   む、なんて…君たちはすごい優秀だったんだね。それに進君は追いついた
   んだよね。すごい努力したんだ…今になるとあの時必死だったんだよね。
   あの時の無理があるから今の進くんがいるんだね。後、二人いたよね?」

モリタの問いに一瞬言葉が詰まる

  「……髪の毛の長かった山本とスポーツ刈りの加藤…一緒に…イスカンダル
   へ行った仲間です…だけど今回…二人のいたコスモタイガー隊は全滅で…」

進がそう言うとモリタは残念そうな顔をして

  「…そうか…とても残念だ。彼らはとてもいい眼をしていた。大人の力に
   屈しない強い心を持っていた。さぞかし進君の力になってくれただろうね。
   君は…いい仲間を持った…ユキさんだって…(ユキと目が合う)助かった
   貴重な命だ…大切にしてくれよ?……うん、随分良くなってるね。窮屈
   だったギブスを切ろうか。車いすで移動するのが楽になるよ。そうそう、
   いい知らせを上げよう。南部くんがICU卒業してここへ来るからよろしくね。
   もちろんまだ食事もできないし車いすにも乗れない状態だから余り長い
   時間は会えないと思うけど時々顔を見せてやってほしいな。」

モリタはそう言いながら少し大きめのハサミで固定用のメッシュのギブスを切り取りボルトの入ってる部分だけにした。

  「ユキさんはとにかく安静にして…進くんが無理しないように監視も
   頼むね。」

モリタはそういうと笑顔で進の病室を出て行った

作品名:yamato2  それから 1 作家名:kei