yamato2 それから 2
島の心臓の動くリズムが少し乱れた。アラームが鳴るほどではないがユキはそれをじっと見つめていた。
(テレサさんと何か話してるのかしら…島くん、戻ってきて…テレサさんの
為にも…ヤマトの為にも…そして誰よりも自分のために…)
ユキは祈った。目覚めて、と…
突き飛ばされた島は真っ暗な闇を漂っていた。
(テレサ…どこへ行ってしまったんだ?)
島は我に返って辺りを見渡した。すると遠くに赤く光る球体が見えた。それが何か確認しようと宇宙遊泳のように泳ごうとするが手足がバタバタ動くだけで全く自分は動けない。気付くとその球体が近付いて来た。
それは過去の地球だった。真っ赤な地球だった。
(地球じゃないか…またガミラスが攻撃してきたのか?まさか…デスラーは
白色彗星の弱点を教えてくれたはずだ…俺は過去に戻ってしまったのか?)
しかししばらくすると赤い部分が次第に碧くなっていくのがわかった。そして碧くなる前に黒い小さな点が飛んでいるのがわかった。
(まさか…あの点は…ヤマト?)
その姿はヤマトがコスモクリーナーを使って放射能の除去をしている映像だった。ニュースでもこんな映像はなかった。本当に少しずつだけど碧い部分がどんどん増えて行って気付くと南極部分が碧くなりそれが少しずつ北上して行った。コスモクリーナーは雨が降ると作業完了だった。
(テレサ…キミはこんな遠くの星で起きてる事も知っていたんだね…もし
あのままガミラスに征服されていたらズォーダーはこの地球を狙って
こなかったかもしれないな…そしたらキミは命を落とさなかったかも
しれない…だけど白色彗星が地球に向かって来たから…俺はキミと
出逢えた。)
島がいろいろ考えてるとテレサの声が響いた
<私は幸せになれました。それはあなたと出逢えたから…>
「テレサ…」
島の口元がそう動いて一筋の涙が流れた後静かに島の目が開いた
すでにヤマトが地球に帰還して一週間が過ぎていた
作品名:yamato2 それから 2 作家名:kei