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yamato2 それから 3

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  「島くんが私をかばって行方不明になってから…地獄絵図のような戦いだった
   まさしく死闘だった…ガミラスよりもっと…強かった。私は白兵戦の最中
   ガミラス艦に移り古代くんを探してさまよっていたの…そしたらデスラーと
   古代くんが対決していたわ…古代くんはその前に受けた傷が癒えていない
   のと新たな傷があったみたいでその場で気を失ってしまったの。」

島は息を飲んで聞いていた

  「だけどデスラー艦の誘爆が酷くてデスラーはタランと呼ばれていた方と
   一緒に空母に移って行ったわ。その時白色彗星の中の都市帝国の弱点を
   教えて去って行ったの…それからその弱点を利用して都市帝国は崩壊した
   けれどその中から超巨大戦艦が現れて…古代くんは降伏する、って言って
   乗組員を下したの。だけど私は絶対古代くんがヤマトに残る気がして
   ヤマトに残ったの。私の思った通りに古代くんはヤマトに残ったわ。
   そしてふたりで…巨大戦艦に体当たりするつもりだったの…」

ユキの長いまつげが揺れていた。
 
  「そしたら突然テレサが現れて…島くんを抱いていたの。その時のテレサさん
   もうフラフラで島くんを下すと何かを支えにしないと立ってられない程
   だった…そしてこう言ったの“島さんを地球に、”って。古代くんは
   “もう地球に戻らないからテレサさんの力で島を地球に送り届けてほしい
   ってお願いしたんだけどその時テレサさんがきっぱりと“ズォーダとの
   戦いは私が行く”と言って…その時はとても厳しいお顔されてたのに
   島くんの話なるととても穏やかな表情になって…島くんが意識を失って
   いるのに傍にいられるだけで幸せだったんですって…テレザートを出た
   時からズォーダーと決着をつけなくてはいけないと思っていたのかしら…
   白色彗星を追いかけて…多分、死を覚悟していたと思うわ…そこへ島くん
   が漂流していた…島くんを助けることで自分の存在価値を見出したかった
   んじゃないかと思うの…」

島は相変わらず下を向いていてユキを向き合おうとしない

  「島くんが地球に戻って来てからも…島くんの心はテレサさんと共にいた
   のよ。テレサさん…ずっと一緒にいられて幸せだったんでしょうね…
   凛とした美しさじゃなくて普通の女性の顔をしていたわ…もっと早くに
   普通の女性になれたら…違う形の幸せがあったかもしれないわ…
   ねぇ…思い出して?ずっと寝てる間…覚えてる夢、ない?」

ユキは必死だった。島を刺激しないようにこの二週間の間の“夢”を聞こうとした…到底無理なこととわかっているけどKeyになるのはその部分だった

  「………ただ…」

島が考えながら思い出したように言った言葉は

  「温かかったんだ…とても。寒かったはずなのに身体の芯から温まるような
   そんな感じだった。夢っぽくなくて…」

島は実際どうだったかわからないけど脳裏に残る温まる、というその
部分だけは忘れられずにいた。

  (島くんの将来を考えて忘れさせてしまったのかしら?)

ユキが考えていると島が何か思い出したような表情をした

  「何か思い出した?」(ユキ)

ハッとした顔の後複雑そうな顔をした。

  「その暖かいところから…こう(胸を押さえて)ここを押されてそこから
   飛び出した、というか追い出されたような…とっさに右手を出したけど
   その人…そうだ、人がいたんだ…その人の手を掴むことができなかった
   んだ…じゃぁその時一緒にいたのが…」(島)

  「テレサ」「テレサさん」

島の眼から涙が溢れてきた。

 「ヤベ…なんで涙が出てくるんだ?」

島はユキに見られないように涙を拭こうと後ろを向くが一向に涙が止まらない。自分の意志と別に涙が出てくるなんてことは初めてだった

  「…はい。」

ユキがそっとハンカチを渡すと島は“ありがとう”と言って受け取って涙を何度も拭いた









   
作品名:yamato2 それから 3 作家名:kei