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yamato2 それから 4

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翌日遺体の引き渡しの部屋に山本の両親がやってきた。進はユキと藤堂と一緒に出迎えた。
 
  「…初めまして…宇宙戦艦ヤマト艦長代理古代進です。」

進はそう言って敬礼した。進の後ろでユキと藤堂が揃って敬礼する。

  「…初めまして…だけど初めましてという感じがしないね…明が…お世話に
   なりました。」

山本の父がそう言って進に向かって右手を差し出した。進は一瞬躊躇したが山本の父は進の右手を掴むと自分の手の所へ持っていった。

  「明が…“自分がヤマトに乗って死ぬ時は古代の為だ。俺は古代に借りが
   ある…それを返さないと生きている価値がない”と常に言っていました。
   理由を聞くと“今俺が生きていられるのは古代が諦めず誘導してくれた
   からなんだ”…と。よくよく聞くとイスカンダルへ向かった時被弾して
   自分が諦めかけていたのにあなたが呼び続けてくれた、と万が一の時
   自分も大けがを負ったかもしれないのに自分の事を顧みず…と。
   明はいつかあなたに恩返しがしたいとそう思っていたのですよ。それが
   叶いました。明も本望でしょう。」

父はお棺を開くと眠っているような息子を見た

  「あの子の命を無駄にしないでください。」

父の声は震えていた。母は我慢できず涙を流していた。

  「ギリギリのところで耐えた地球を…最後まで護りぬいてください。きっと
   明も一緒にあなたと守りたかったはずです。明ができなかったことを…」

両親は山本の遺体にそっと触れると

  「もう…平和な時代になったと思ってしまっていました。宇宙は広い…
   安心していられませんね。私たちにも危機感を持っていなさい、と明が
   教えてくれていると思います。上任せにしていてはいけない、と…
   明…よく、頑張ったな。さぁ…家に帰ろう。」
  「古代さん、お世話になりました。どうか明を忘れないでいてくださいね。」

母は山本の手を握って言った。
 
  「あの子があなたの結婚式に出席するの楽しみにしていたんです。…後ろの
   御嬢さんがお相手かしら?“俺たちがずっと見守って来たんだ。幸せに
   なってもらわないと困る”って…何が困るのか聞いたら言葉を濁して…
   平和っていいわね、って思ってた矢先だったから…ニュースでヤマトに
   収容される艦載機を見て一緒に行ったと思いました。短かったけど…
   あの子の人生は満たされていたのわかります。あんな辛い戦いで…こうして
   笑顔で…古代さん、ありがとう。あなたのおかげね。」

進もユキも藤堂も涙を拭きながら山本の両親の話を聞いていた。

  「山本は…私と予備生の頃からずっと一緒でした。いつもクールで判断が
   早く…言葉数は少なかったけど仲間からとても信頼されていました。
   山本の腕ならリーダーになれるのに…加藤と一緒がいい、と…いつも
   ナンバー2に徹していました。加藤が足りないところを山本が補う…
   加藤のチームはそれでうまく成り立っていました。
   この戦いで…あの都市帝国を叩くとき…私を庇って被弾し…そのまま
   都市帝国の下部の艦載機射出口へ…(母親が顔を覆う)遺体の様子から   
   山本の機体は体当たりした時瞬間パイロット脱出ポットが作動した様子だ
   そうですが山本自身はその時のショックに耐え切れず…(進もガマン
   出来ず泣きながら状況説明している)山本は…私に最敬礼しながら…
   あの時と同じように私は山本を呼び戻そうと叫びました…だけど…
   山本を連れて帰ることができず…本当にすみませんでした。」

進は最後涙を拭いてそう両親に頭を下げた。すると山本の父は進の肩に手を置いて

  「式を挙げる時は連絡いただけますか?」

と、言ってきた。進が顔を上げると

  「明がお二人を見届けられなかったので代わりに私が見届けます。
   もちろん、お式、だけですよ。披露宴は遠慮しますから。」

と言って笑った。

  「山本さん、ありがとうございます。今回の戦いは私たち上層部の危機管理
   がなっていなくて…彼らに責任はありません。全て私たちの責任です。」

藤堂が山本の両親に頭を下げた。ユキも一緒に頭を下げる。

  「申し遅れました、私、地球防衛軍長官の藤堂と申します。」

そう言うと頭を上げて両親の顔を見た。山本の両親はおどろいた顔で藤堂を見た

  「彼らが飛び立って行くのを止めずむしろ行けるように補助しました。
   まさか元ブラックタイガー隊も行くと思いませんでしたが普通に考えれば
   当然の事だったのでしょう。」  


作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei