yamato2 それから 4
「コスモタイガー隊が合流するのを見てほっとしましたから…ヤマトは
防衛軍で唯一単独の戦艦です。ゆえに艦載機がないと戦力が半減します。
彼らは勇敢に戦いました。地球の為に…私はこの戦いを胸に…そして
この戦いで戦い抜いたクルーを守るために第一線で働くつもりです。
どうか、ご理解よろしくお願いいたします。」
藤堂は深々と頭を下げた。ユキも一言“よろしくお願いします”と言って一緒に頭を下げた。
「長官の記者会見拝見させていただきました。すみません、堂々とされて
いる方にお見受けしたので…こんなクルーひとりの為にお越しくださる
方と思えず…」
父は恐縮した様子でそう言った。
「ヤマトのクルーは誰でも…私にとって防衛軍で一番守るべき存在であり
それが私の役目だと思っています。私は…前艦長と同期でいつも酒を
酌み交わす仲でした。沖田も…地球を守って逝ってしまった…私はその
沖田の残した沖田の子供たちを守りたいと…そう思って来ました。彼らは
まだ若く上層部に煙たがれることもしばしばなので…私の出番はその時
くらいしかないのですが…彼らは義務教育中に遊星爆弾によって不自由な
暮らしを強いたげられ更に防衛軍の一員となり地球を守るために幼い頃
から訓練に励んでいました。今でも訓練中の彼らを思い浮かべると一番
楽しい時期に“戦う事”“守る事”を教えなくてはいけなくて心は複雑
でした。だけど彼らのおかげで緑の地球を取り戻す事ができました。
彼らには感謝しても返しきれません。」
藤堂はそう言うとそっと涙をぬぐった
それからユキが自己紹介した後退職金などの話をして山本は両親と一緒に帰って行った
それから3日間は遺体の引き渡しが続き遺体安置所代わりに使われていた会議室はがらんとなった
作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei