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yamato2 それから 4

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  「お前さぁ考えすぎなんだよ。」

加藤が肩を叩いた

  「そうだよ、もっと周りを見ろよ。他人を犠牲にして幸せになってるやつ
   もっといるだろう?」

山本が加藤と肩を組んでいた。

  「加藤…山本…」

進は目をこすってベッドから起きた

  「お前はさ、これから前を見て歩くんだ。」(加藤)
  「ユキさんの手を離すな。ユキさんはお前だけを見てる。」(山本)
  「いいか?ユキを不幸にしたらどうなるか分かってるだろうな?みんなが
   化けて出るぞ?特に…」(加藤)
  「俺がな~」

二人の後ろからガバっと現れたのは斉藤と空間騎兵隊だった

  「忘れるな~俺たちが化けて出るぞ~」

まるで合わせたかのように合唱する

  「それより古代、テレサさん、すげぇキレイだな!」(加藤)
  「ホント、きれいすぎてみんな声かけられねぇんだ。なぁどうしたらいい?」

斉藤が真剣に聞いて来た。
  
  「テレサはダメだぞ?島がいるからな。」

進が慌てて言うと

  「チェッ…生きてるやつの名前出したってダメだぜ?」

斉藤がグレ気味に言うと

  「多分テレサが島以外相手にすると思えないけどな。」

進が笑いながら言うと

  「お?古代が笑ったぞ!」(加藤)
  「ホントだ、ちゃんと笑えるじゃないか。」(山本)
  「え?」

進が聞き返すと

  「バカ、お前がユキさんを悲しませるからちょっとこっちに呼んだんだ。
   いいか?いい加減強くなれ!ユキさんも言ってただろ?“古代進は
   強くなくちゃいけない”って。弱いところは自分だけに見せて、ってそう
   言ってくれてるんだよ。ユキさんはお前に甘えてほしいんだ。無理する
   お前を見たくないんだ。大丈夫だよ、ユキさんはお前を待ってる。
   もう頑張らなくていいんだ。まぁ俺たちの事で遺族に話すことで疲れち
   まってるんだろうけどな。だけどそれも今日で終わりだ。明日からは
   ユキさんを最優先で考えろ。時期ヤマトが出航するだろう?島と相原と
   真田さんの退院も近い。これから忙しくなるからちゃんとユキさんには
   言葉で伝えろ。ユキさんは強いふりをしてるだけでお前をちゃんと支え
   られるのか心配してるんだ。一言“ユキ、頼む”って言えば済むことだ。
   判ってるよな?ユキさんを泣かすな…お前の全てを握ってるんだからな。」

山本は最初笑って話していたがだんだん真剣な顔になった

  「そうだぞ?ユキさんを不安がらせるな。そろそろ起きろ。マジで心配してる」

加藤がそう言うと山本と斉藤は頷いて“じゃあな”と言って進の意識から消えて行った












  「あれ?今日はユキひとりか?」

毎日二人で欠かさず中央病院にお見舞いに行っていたのにユキ一人で来たのに真田が驚いて聞いた

  「えぇ、古代くんとうとうパンクしちゃった。今医務室で寝てるわ。」(ユキ)
  「そうか…まぁしょうがないか。ユキは大丈夫か?」(真田)
  「えぇ…こう言ってはなんですが…看護士していたから遺体を見ても多分
   古代くんほどショックがないんだと思います。クルーの遺体だと思うと
   気持ちは違うのですが古代くんは遺族に亡くなった時の様子を伝えなく
   てはいけないので…心労が積もり積もって…だと思うんです。
   私のする事は事務的な事だけなので…」

ユキの長いまつげが揺れる

  「ユキ、辛かったらいつでも言いに来いよ?今の古代じゃ受けきれないだ
   ろう?」

真田の優しい声がユキの心に響く

  「真田さん、ありがとうございます。今、辛い事言っちゃいました。」

ユキの言葉を聞いて真田は苦笑いをした。ユキだけはその意味が解る。

  「で、古代くんを放置していいの?」(相原)
  「栄養剤に少し睡眠誘発剤を入れたからしばらく起きないわ。で、佐渡先生
   から退院の許可が出た、って聞いて…私たち、お迎えに上がりますから
   そのまま英雄の丘へ行きませんか?一応、全員に声を掛けようと思って
   いるんですけど…今日、レリーフが全部出来るんで…お披露目前に
   挨拶に…と…。」

ユキはそう言うと

  「そうだな…沖田艦長に挨拶もしたいし…わかった。それから後の事は
   ユキに任せるよ。」

真田がそう言うと相原が

  「待ってください、真田さん、それ、私が連絡入れます。ユキさん
   忙しいでしょう?僕、やることないので…ぜひ…」

ユキは相原の申し出を受ける事にした。


作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei