yamato2 それから 4
「ありがとう、相原くん。じゃぁお願いしちゃおうかな?相原くんなら
連絡先全員判るわよね?」(ユキ)
「任せてください!通信班長ですから!」
胸を張る相原にユキは“じゃぁお願いね”と言って本部に戻るわ、と言って帰って行った。
「ユキさん無理してますね。」(相原)
「判るか?やっぱり…古代がもう少ししっかりしてくれればいいんだが…」(真田)
真田は大きくため息をついた
「あ、古代くん…」
ぼんやりとした視界の中にユキの姿が目に入った。
「疲れがたまってたのね。ずっと忙しかったから…」
進はユキのその言葉で最近ずっと行動を共にしてきたのに気付いた。
「ユキだって…疲れてるんじゃないのか?ずっと一緒だった…」
進は自分の不甲斐なさを反省した
(ユキも遺体の引き渡しの時一緒だった。遺体が戻って来た時も一緒に
ドッグに行ったり安置所にも行った…なぜ…俺だけが倒れるんだ?
ユキに心配かけるだけで何もできない…)
「私は古代くんがいるから大丈夫。」
進の心が読めたのかユキはそう言って笑った。
「そう、佐渡先生がね、残りの3人…退院許可出したって。昨日の最終検査
で異常が見られなかったから明日の午前中退院ですって。
お迎え、行くでしょう?(進が頷く)だったら…こんな所で寝てる場合
じゃないわ。さぁ起きて…お迎え行ったらそのまま英雄の丘へ行きましょう
レリーフの工事も今日終わったんですって。佐渡先生のとびきりのお酒
用意してもらったわ。古代くんが寝てる間に相原くんがクルーに連絡
とってくれる、って言ってたから明日英雄の丘に全員集合するわよ。」
ユキはそう言うと進のブランケットをたたんで靴を並べた。進も素直に靴を履いた。
「ユキ、ありがとう。いつも甘えてばかりで…」
進が言葉に詰まるとユキはにっこり笑って
「そこまで気が利いたら“古代進”じゃなくなってるわ。いいのよ、
古代くんはそのままの“古代進”で。一応佐渡先生に会ってってくれる?
一応診よう、って言ってらしたから。」
二人は仕切られてるカーテンを開けた
作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei