yamato2 それから 4
地下都市は太陽が昇らないので時間の感覚がずれる。そのため人工的に照明で朝と昼と夜の区別がつくようにしているが一度本物の太陽の下で暮らし始めた者にとって人工的な明かりはやはり不自然だな、と思えた。
「おはよう、ユキ。」
「う…ん、おはよう。」
ブランケットを肩までしっかりかけてユキが少し赤い顔で進を見上げるが進はそのブランケットを少し下げてユキの白い肩にキスをした。
「やだ…古代くん、ったら…恥ずかしいじゃない。」
ユキの赤い顔が更に赤くなる。
「退院のお祝いだよ」
進はそう言ってユキの唇を塞ぐとユキの敏感な部分をそっと触った。
「…んっ…」
ユキが反応する
「ずっと…こうしたかった…隣にいるのに抱けなかった…24時間あれば
24時間抱いていたいのに…」
進の唇が首筋に移動する。昨日から何度も果てているのに…感じているのに物足りない。
(俺は生きる事に貪欲なのだろうか)
進はそう思った。
「静かに…隣に聞こえちゃうよ…ユキ…」
ユキは進に抱かれてあまりの激しさに声を上げそうになるのをシーツを噛んで耐える。進はその姿がまた色っぽくてもっと激しくユキを突き上げる
「あぁっ…ダメ…あぁ…古代く…んっ…」
絶頂寸前で体位を変えて今度は後ろから攻める。奥まで突き上げるとユキの亜麻色の髪が揺れて果てた
「まだだ…ユキ………」
進は力の入らないユキをまた仰向けにすると更に奥深く攻めた。
(壊れてしまう…)
ユキはそう思いながらも何度も何度も進の行為を受け止めていた。
気付くと進は静かな寝息を立てて寝ていた。ユキの身体には赤いしるしとまとわりつくような男と女の匂いがした。シャワーを浴びようと立とうとしたが腰が立たない…ユキはシャワーを諦めて進に寄り添うように横になった。
(不安なのかしら…)
ユキは進の不安な気持ちを察していた。次の航海の訓練飛行、だからこそ危険が伴う…艦の責任者として結果を出さなくてはいけない…卒業生をこの短い航海で立派に巣立たせないといけない…
(全て…私が受け止めるわ…大丈夫よ。)
ぴたりと身体を付けると心が休まる…
(古代くん、私、幸せよ…)
ユキはそっと進の手を握った
朝、人工的な光でユキは起きた。そしてブランケットが素肌に触れていて気持ちよかった。進の朝の挨拶に答えてすぐ進が求めてきた。
(何度快楽を味わっても満足できない…私はおかしくなってしまったの
だろうか?)
頭ではそう思っていても進の愛撫に身体は反応している…声が漏れるのを必死にこらえようとするが…
「ユキ…昨日あんなにしたのに…もう…こんな、だよ…」
ユキは恥ずかしくて進を見ることができない…いくらカーテン引いていても外が明るいから自分の全てを見られてしまう…
(恥ずかしい…)
恥じらいを見せる姿も進にとってはたまらない姿だった
進の携帯が鳴っていた
「古代くん…携帯…」
ユキは緊急じゃないかと思って声を掛けたが
「急ぎなら通信機使うだろう…いいんだ、今はユキだけ…」
そう言うと不意に深く突き上げた。ユキは言葉もなく絶頂を迎えて果てる
「俺も…」
深く深く突き上げて進も果てた
「悪い、気付かなかった」
相手は南部だった
<お二人が退院したと聞いて…お邪魔と思いつつ連絡しました…訓練内容
など決まってると思うのでメールで教えてほしいんですが>
南部は仕事モードだった。
<そろそろ退院の見込み、なので…>
南部の言葉に進が嬉しそうに答えた
「そうか…大丈夫か。間に合ってよかったよ…」(進)
「島も大丈夫らしいな。相原から聞いたよ」(南部)
「もう、大丈夫だ。俺たちはいつも通りだ…これからも頼むな。」
進は笑顔で携帯を切った。
「…バレバレ…かな?」
遅い食事の後のコーヒーを飲みながらユキがつぶやく。
「いいじゃないか…婚約してるんだ、誰にも文句言わせないよ。」
携帯をテーブルに置くと進もミルクたっぷりのカフェオレを飲んだ。
人工都市の灯りもほどほどに落ちて夕方の様子を醸し出していた。
「ユキ、辞令出てる?」
進が聞くと
「ううん、まだよ。長官からメール来ていないからさっきお伺いのメール
入れたけど…」(ユキ)
「そうか…俺もまだなんだ…まだ中央は混乱してる、という事だろうか…」
進は不安だった。ガミラスより強く征服力を持つ何者かがまた来ないとも限らない…
「…古代くん…」
ユキが不安そうに進を見つめる
(あの日のようだわ…)
あの通信記録を持って真田に相談してる時の顔を思い出していた。
作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei