yamato2 それから 4
ユキはそっとコーヒーの入っていたカップを持って席を立って台所に入った。
(忘れないで…私がいることを…)
カップを洗いながらユキは思った。はやり古代進という人間は私では支えられないのだろうか、と…。
「ユキ…」
考え事をしてるユキの後ろから進がそっと抱きついた。
「ばかだなぁ、ユキ…」
進はそっと首筋に唇を這わすとユキの身体がピクンと反応する
「これ以上の事が起きたって…その時もずっとそばにいるよ。大丈夫…俺たちは
ずっと一緒だよ。前科があるからユキが不安になるの、わかるけど……
でも俺には“信じてくれ”しか言えない…」
進は後ろからユキの敏感な部分を服の上からそっとふれる
「何度ユキを求めてももっとほしい、って…気付かなかっただけで…俺は、
俺はユキと生きたい、ってこんなに強く願っているって今朝気付いた。
遅すぎるよな…もしあの時ひとりで特攻していたら後悔の念だらけで
ユキの周りの男に片っ端から化けて出たかもしれないな…」
進の愛撫はユキの素肌へと移りユキはしっかり立っていられなくなった。
「だめだ…ユキ、このまま…」
進は後ろからユキを突き上げた
「古代くん、私辞令でたわ。」
ユキはシャワー室から出てきた進に声を掛けて端末を見せた。
< 森 雪
地球防衛軍長官藤堂の第一秘書を任ず。>
「よかったな、今まで通り…ん?」
進はその下に但し書きがあるのを読んだ
<ただし宇宙戦艦ヤマトの航海のみレーダーのオペレーター及び生活班班長を
任ず。
地球防衛軍 長官 藤堂 平九郎 >
「最初からこうしてくれたら密航にならなかったのにね。多分、古代くんも
辞令が出てると思うわ。」
進は通信機を取り出してメールをチェックした。
「あ、なんか来てる。」
そう言いながらメールを開くと
< 古代 進
地球防衛軍のパトロール艇の艇長に任ず。
ただし宇宙戦艦ヤマトの航海のみ艦長代理と戦闘班長の兼務を任ず。
地球防衛軍 長官 藤堂 平九郎 >
進はホッとした顔をした。しかしユキは納得できない顔だった。ヤマトが飛び立つ前進は護衛艦の艦長だった。
「ユキ百面相になってる。」
進は面白そうにユキの鼻をつついた
「だって…護衛艦の艦長からパトロール艇よ?これって降格じゃない…」
「いいんだよ、これでいつでもヤマトに乗れる…パトロール艇の方が予定を
変更するの簡単だからな。護衛艦となったら変更も利かないし…そう思えば
ちょうどいいよ。パトロール艇は最高でも3人常時2人で動く。楽だよ…
大勢をまとめる事を思えばさ。」
進はそう言って笑った。
「それに…あのヤマトを乗っ取ってこうして普通に防衛軍にいれるだけでも
ありがたいと思え、って言われてる感じだよ。」
そうだった…私たちは反逆者扱いだった…
「ユキは長官の命令で乗った…だからお咎目なし、ってことさ。」(進)
「古代くんが降格なのに…私は変わらないなんて…」(ユキ)
ユキは複雑な表情のままだった。
「ユキ、クルーの辞令を聞いてくれないか?」
進はそう言うと通信機を閉じた
作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei