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yamato2 それから 4

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まだ入院中のクルーにも辞令が出ていてほとんどが降格、もしくは地上勤務だった。

  「なんだって俺がコントロールセンターのセンター長なんだ?」

島の見舞いに来たついでに入院中のクルーが集合していた。島は随分ごねていた。宇宙へ飛べばテレサがそばにいる、そんな感じなのだろう。

  「南部もパトロール艇勤務だろう?もったいないよな…」

そんなことを言っている太田は護衛艦の炊事係になっていた。

  「バカ、航海図を画いたら右に出る者はいないと言われてる太田が炊事班
   だろう?防衛軍バカとしか言いようがないな。」

南部はかなり怒っていた…が太田は暢気なもので

  「まぁ…いろんな部署を見ておくのもいいかなって思うよ。同じ炊事班に
   幕さんいるし…」

幕の内も炊事班の班長から降格になっていた。

  「でもみんなただし書きがあっただろう?」

進の一言に誰もが口をふさいだ

  「実は長官に直接聞いたの…今回の事を受けてやはりヤマトの乗組員は
   ヤマトに所属してる事にしないと今後の有事に対応できない。今回偶然
   私たちの結婚式があって一緒にイスカンダルへ行った仲間がほぼ揃っていた
   からこうしてフルメンバーで戦うことができた、って。万が一の有事に
   備えてしばらく私たちメインクルーを重責から外す、って…あの真田さんも
   科学局長官補佐だったのに長官補佐じゃなくなっちゃって…」

ユキは真田の顔を見た
 
  「いいんだよ、下手に肩書があると会議だなんだと忙しくて落ち着いて
   研究ができない。これからは普通にラボにいるからいつでも来いよ。」

真田もすっきりした顔をしていた。

  「そこに真意があったわけですね…でも私は…」

相原の任務は変わらなかったので少し心苦しかった

  「お前はちゃんと伊藤が引っ張ってくれたんだ、感謝して働け。ユキが
   ヤマトに乗るときは伊藤が秘書をしてくれてるから相原を置いておけば
   長官も伊藤もちょうどいいと思っているんだろう。」

真田がニヤっと笑う




あの大けがをした南部も退院していい状態だったが母親が心配してるらしく南部病院のVIPルームにまだ入院していた。今日は外出許可をもらって島の病室へ来ていた。

  「南部のけがはどうなんだ?こうして見ると大丈夫みたいだけど…」

太田が気になって尋ねる

  「ほとんど大丈夫なんだけど…俺でデーター取ってるからなかなか出させて 
   くれなくて…ちょうどいい実験体だよ。リハビリは筋トレに近い事やって
   るから退院してもすぐ普通に動けるよ。」

南部は進に“大丈夫だ”と伝えたかった。すでに訓練計画を聞いているので体力を戻さないとこっちが倒れてしまう…自分が足を引っ張らないように、と思っているのだ。

  「それよりヤマトは…?南部で資材調達してるくせに親父、教えてくれない
   んですよ。」(南部)
  「そりゃあれだけ重傷で戻ってきたんだ…なんか言ってドッグに駆け込んで
   治りが遅くなったら元も子もないだろう?親父さん南部の性格ちゃんと
   つかんでるな。それにヤマトの復興計画は順調だ。」

真田がそう南部に伝えると

  「あれだけの資材をそろえるの…さすがは南部の親父さんだな、って思っ
   たよ。もうほとんど直っている。細かい調整段階にはいってるよ。」(進)

進は時々様子を見に行っていた。

  「ヤマトを最優先で直すのが防衛軍の最重要科目になっているの。
   先日新しい乗組員のピックアップされていて今選考中。どんな乗組員が
   来るのか今から楽しみだけど…班長さんはまとめるの大変だと思うわ。
   各部署のトップが来るんですもの…古代くんたちは乗り込む前から面識が
   あったから暗黙の了解があったけど今度は“あうんの呼吸”ってないから
   指導が難しいと思うわ。」

ユキがいう言葉に南部は思い出した言葉があった

  「加藤がさ…いつぞや月基地で話した時の事なんだけどな、“艦載機で
   ダメージ与えてそこへ相原が繋いだ通信が入るんだ。俺たちが退避して
   間をおかず主砲が敵を叩く…相原の通信の奥で南部が主砲発射!って
   叫んでるのが聞こえて…俺たち繋がってる、って思うんだ”ってな。
   ヤマトから月基地に配属になって時々空母で護衛艦について行ったり
   したらしいけどやっぱりほとんど稼働してないって言ってた。艦載機を
   つかこなせるだけの指導力を持つ艦長がいないんだろうな。」

南部がメガネを拭くふりをして目にいっぱいたまった涙を抑えた。進が艦載機チーム出身という事もあってかヤマトは艦載機を使った作戦をよく使った

作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei