yamato2 それから 4
すでにエアカーは裏玄関に着いていて二人は急いで乗り込むとエアカーは行先もわかっているのでスムーズに走り出した。
地球防衛軍とエアポートはエアカーで10分ほど。でもそれがとても長く感じた
エアポートに着くとカプセルに入った遺体がいくつか並んでいた。進とユキは一人ひとり確認しながら涙を拭いた。
誰もが自分を信じて集まった仲間…
そう思うと進は辛かった
最後のカプセルに山本がいた。遺体はきれいだった。
「脱出用ポットが爆破の時に作動した様子で…」
進はカプセルを開けてもらった
「山本…」「山本くん」
二人の声が重なる
「脱出用ポットは異常ありませんでした。恐らく爆破の衝撃でショック死
してしまったようです…」
これから検死する予定だが大体遺体の様子を見ると死因はわかる。進は山本の顔を触った
「冷たい…加藤と…山本と…二人揃って逝きやがって…俺を庇ったりしな
ければ…」
ユキは二人を直視できず後ろを向いて泣き出してしまった
「ふたつ…増えちまった…」
地下都市に戻った二人はテーブルの上に加藤と山本の羅針盤を置いて眺めていた。
「古代くんのとお揃いね…あの時使ったものよね。」
ユキがテロに襲われた時通信機代わりにしたものだ。生きていれば…これを使って誰かを呼ぶことができる…
「山本はバカだよ…。」
進はそう言って泣いた
翌日も二人は藤堂と共に遺体の引き渡しに従事していた。なぜそこで藤堂がいるのか賛否両論だったがあの発表を持って自分の判断でヤマトの行動を許した、と言う事を示すためだった…が実際は遺族が進に対し何か言ってこないか…もし連れて帰れなかったことを責められたりしないかを心配していてもし責められたら自分が守るつもりでそこにいたのだった。
「古代くん、山本くん…きれいになって戻ってきたわ。」
病院で検死を受けて山本が遺体安置所になっている地球防衛軍の会議室に戻っていた。進は2時間ほど引き渡しがないのを確認するとユキと一緒に会議室へ向かった。
作品名:yamato2 それから 4 作家名:kei