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さらば… イスカンダル 2

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  「お前は幸せになれ…」(守)
  「うん…」(進)

そう言ったものの守は心から進の幸せを喜んであげられない事を悔やんだ。

  「ご両親には?」(守)
  「地球に着いたらその足で了解をもらいに行こうと思ってる。一日でも早く
   一緒に暮らしたい、って思って…」(進)
  「許してもらえそうか?」(守)
  「多分、大丈夫だと思う。」

そう言って笑う進は昔のままだった。




  「守さん、サーシァちゃん、お預かりします。今日はお風呂に入って食事を
   したらすぐにこちらに戻しますわ。少しだけお待ちいただけます?」

ユキが艦長室にサーシァを迎えに来た。

  「あぁ…ありがとう。」(守)

ユキは艦長室に入ると大きなベッドに寝てるサーシァを抱き上げた。サーシァもユキを待っていたかのように手を伸ばして抱っこをせがむ。

  「ではお預かりします。30分ほどしたら戻って来て…そうですね、それから
   1時間かからないぐらいで月基地に着くと思います。お荷物は…大丈夫そう
   ですね。」(ユキ)
  「あぁ、相原くんが手伝ってくれてね…完了してるよ。」(守)
  「よかったです、では食事が運ばれてきますから先に済ませてくださいね。」

ユキはサーシァを抱きながらにっこり笑うと艦長室を出て行った。



  「さぁ…サーシァちゃん、ヤマトで最後のお風呂ですよぉ~今日は私がお世話
   しまぁす。」

ユキは涙を必死にこらえながら笑顔でサーシァに接していた。いつものようにお湯の温度を確かめて遊びながら体を洗い美しい金髪を洗う。そしてシャワーでシャンプーを流すとタオルに乗せて体を拭き少し大きめのかわいらしいワンピースに着替えた。

  「うん、かわいい!お似合いよ。」

ユキは真田にお願いしてかわいいピンクのワンピースを用意してもらっていた。

  「じゃぁお食事中に汚さないようにタオルかけましょうね。」

よだれかけの代わりにタオルを一枚前にかけると洗濯ばさみで後ろを止めた。

  「ゆきサン、麦茶ト食事デス。」

アナライザーがタイミングよく麦茶と食事を運んできた。そして洗い物を持って行く。

  「アナライザー、それもう使わないからダストシュートに入れてね。」(ユキ)
  「了解デス。」

アナライザーはライトを点滅させながら医務室を出て行った。サーシァは麦茶を飲みたくて両手を伸ばしている。

  「ふふふ、のど、乾いたわよね。お待たせ、飲みましょう。」

ユキはサーシァに麦茶を飲ませた。




  「お腹いっぱいになりましたねぇ~ヤマトのご飯はおいしかったですか?今日が
   最後のご飯でした。もうすぐヤマトを下りるんですよ~。次に会う時、どれ
   ぐらい大きくなってるかな?」

ユキはあやしながらエレベーターに乗っていた。

  「着いちゃった…」

ユキは艦長室の前に立つとサーシァの顔をもう一度見て笑顔を作った。

  「森です、サーシァちゃん、お連れしました。」

予定通り30分…守はそっと艦長室の扉を手動で開けた。

  「お待たせしました…」

ユキはサーシァを守に渡そうとした瞬間サーシァごと守に抱きしめられた。ユキは突然の事で動けなかったが名前を呼ぼうとした瞬間守に唇を奪われた。

  (守さん?どうして?)

ユキは息苦しくなり振り払おうとするが守がしっかり抱いているので離れられない。

  (古代くん、助けて!)

ユキは苦しくなってその場にヘタり込んでしまったので守から離れる事が出来た。

  「守さん…なぜ?」

へたり込んだ時サーシァは守が抱きとめていた。ユキはさっきまで塞がれていた唇を手の甲で隠しながらそうつぶやいた。

  「森さん…」

守がユキに近付こうとするとユキはヘタり込みながらも後ろにずれる。

  「キミを困らせようと思ったわけじゃない…」

守の言葉に

  「私は…あなたの弟さんの婚約者です。それなのに…なぜ?」

ユキは守を強い目線で見た。ユキは自分を見つめる守に瞳の中にスターシアしかいない事を知っている。

  「守さん、私は森ユキなんです。スターシアさんじゃないんです…スターシア
   さんと私が似てるから…ですよね?」

ユキがスターシアを思い出して悲しい顔で言ったが

  「違う…違うんだ。」

守は否定したが

  「そうなんです。守さんは今動揺してるんです。スターシアさんが亡くなって
   サーシァちゃんの面倒見なくちゃいけなくて…そこで私が現れて…真田さんにも
   言われた事があります。イスカンダルに到着した時…私とスターシアさん
   と似てる、って。」


作品名:さらば… イスカンダル 2 作家名:kei