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さらば… イスカンダル 2

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揺れる心


  「え?守、お前弟から聞いてないのか?」

話は少し遡り……真田が艦長室に来た時の話…………

  「進と森さんが婚約中?」

守はそれを真田から聞いて驚いたと同時に少しショックを覚えた

  「いつからだ?」(守)
  「イスカンダルの帰りだな…まぁすでに往路で二人の気持ちは固まってた
   だろうけど任務遂行中と言うのもあって敢えてそれには触れないように
   してた感じだったな。特に古代は途中で艦長代理になったから尚更自分に
   厳しくしていた。お互い無事地球に帰ったら、と思っていたんだろう。
   だけどユキはガミラスの最後の攻撃の時に仮死状態になって…後から息を
   吹き返したが病院送り…古代は放射能除去の任務があったからなかなか
   決着つけられなくてな。
   まぁユキもいろいろあって…一般人から惚れられてナゴヤシティまで
   連れ去られちゃうし…大変だったんだ。まぁそこは(下を指さして)
   チームワークで連れ戻せたんだけどな。
   それが落ち着いてからご両親に挨拶行って…二度目、かな?何とか了承
   もらえたらしい。」(真田)
  「そうだったんだ。あいつ何も言わなかったぞ。」

守が少し怒り気味で言うと

  「妻を亡くしたばかりの兄に言えなかったんだろう…弟の気持ちを汲んで
   やってくれ。」(真田)
  「そうだな、俺がへこんでたらそんな事言えないな。俺が悪いのか。」(守)
  「そうじゃない。タイミングが悪かったんだ。お前のせいじゃない…。」(真田)
  「だけど俺はお前か島くんが森さんと付き合ってると思ったよ。お前なんか
   森さんと長い付き合いなんだろう?」(守)
  「そうだな、ユキが看護士を目指し始めた時に長官から直で頼むと言われて
   からだから…ユキは看護学校に通いながらメインは俺の所で訓練学校と
   同じことを学んでいた。仕事もうまく行っていない時期…修理の部品やら
   新しい火器の開発やらどうにも手を付けれない状態だったのに長官はユキを
   俺に預けた。最初意味がわからなかった。八方塞でどうもできない状態
   のところで人、一人預けられても忙しいのに拍車がかかるだけで意味がない
   と思っていたんだが…ユキは賢かった。俺が教えた事はすぐに覚えてその
   先を見てるんだ。仕事の手伝いもさせた。部下を使っても全く動かない
   仕事がどんどん動き出した。俺にとってユキは大切な宝物だけど俺の所に
   置いておく存在ではなかった。飛び立たせなくてはいけない人材だった。
   だから難しい仕事を教えてヤマトに生活班長として乗せた。最初は渋ったが
   自分も乗るから、と説得したんだ。最初の計画の時からユキは看護士として
   乗り込む事が決まっていたが…旧式のレーダーを扱えるよう訓練して…俺が
   乗せたんだ。」(真田)
  「お前、そこまで入れ込んでて…いいのか?」(守)
  「俺とユキは父と娘のようなもんでな…せめて“兄”にしてくれないかと
   言った事がある。お前から古代の兄貴替わりを頼まれて…妹のようなユキと
   古代と一緒になると聞いた時は本当に嬉しかった。」(真田)
  「真田…お前は…」(守)
  「俺はユキの保護者なんだ。最初からユキを女として見た事がない。ユキを
   育てなくてはいけなかった。だからそんな感情がなかったんだろうな。」(真田)
  「島もな…この前の航海で辛い恋をした。テレザートのテレサ…読んだだろう?
   航海日誌…そのテレサと恋に落ちたのが島だ。島は被弾して宇宙空間を
   さまよっていた所をテレサに救われた。だけどテレサは一人島を残して
   戦い、散った…。」

真田の言葉に守は自分とダブらせた

  「島くんはそんな事一言も…」(守)
  「ユキが様子を見て声を掛けていた…本人も大丈夫と言っていたし…島の身体
   にはテレサの血が生きている…島はそれを支えに生きてるんだ。」(真田)
  「そうか…クルーの笑顔の裏にはたくさんのストーリーがあるんだな。」(守)
  「そうだ、ヤマトが強い理由はそこにあると思う。誰かが辛い思いをして
   るとそれを助ける手を差し伸べる…気持ちの通った艦だから…。」(真田)
  「そうか…ヤマトが強い理由はそこなのか…」

守はしみじみつぶやいた。



作品名:さらば… イスカンダル 2 作家名:kei