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さらば… イスカンダル 2

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  「それと…」(守)
  「まだ聞きたい事があるのか?」(真田)
  「あぁ、なんでもテロがどうこう、って…」(守)
  「…全く、誰もかれも中途半端に情報入れて…」(真田)
  「チームワークがいいのか?それも真田に聞けって言われたぞ」(守)

守の一言に真田が頭を掻く。真田は守の質問がユキに関しての事ばかりだから何とかユキを守の対象から外させなくてはいけないと思った。

  「…あれはいつだ?ユキが秘書になって間もない頃…二人が婚約して…本来
   俺らは軍の一員、一般人なんだがヤマトが帰還して放射能除去が終わった時
   マスコミの希望で記者会見を開いている。ユキは自宅でケガをして入院中で
   出られなかったが…それ以来カフェでコーヒーも飲めないぐらいの騒ぎに
   なってしまって…」(真田)
  「カフェ?」(守)
  「俺はラボに詰めっぱなしだったから余り実感がなかったがユキが偶然南部と
   会ったから古代が来るまで、と思ってカフェに入った瞬間記者に写真を撮ら
   れたらしく…南部が気付いてカメラごと取り上げたらしいが…もしそれが
   ネットで写真が流れたら…」(真田)
  「森さんに迷惑かかるし破談になるかも…か?」(守)
  「そうだ、それで婚約発表する事になったんだ。あの記者会見でメインクルーは
   アイドル的存在になってよく報道されてたんだ。だから婚約発表も大々的に
   なってしまって…だけど発表しないとスキャンダルになるからな…まぁどっちも
   どっちだったんだが…。そんな中で5大陸の大統領が日本に集結してこれから
   の防衛軍の在り方の会議があったんだ。最終日、一番恐れていたテロが起きた
   人質として残されたのはユキと南アフリカ大陸の大統領、それと二人のSP。
   その時ユキの所持品は一方的に話を送るだけの発信機。それを受信できるの
   はこれ(真田が宇宙羅針盤を見せて)だけで…これはヤマトのメインクルーと
   ブラックタイガーの加藤と山本だけが持っていた。」(真田)
  「それは?」(守)
  「もともと相原が同期に記念品として上げた物らしい。古代と島、加藤、山本
   相原が持っていたんだがそれと同じものを俺が買ってきて太田と南部、俺と
   この会議の万一に備えて揃えた。先の5台はイスカンダルの帰りにいじって
   通信機能を付け加えた。それを覚えていたから後の3台も通信機能を付けたんだ
   ユキは一人テロ軍団10人相手にして俺達に状況を報告し続けた。」(真田)
  「どうやって?」(守)
  「ユキが持っていた発信機はハンカチ風にしてあったが話す事は出来ない。
   ユキと相原は同じ生活班で余り周りに知られてはいけない話をするときは
   モールス信号を使っていたそうだ。」(真田)
  「じゃぁ…」(守)
  「そうだ、モールス信号でユキは突入のサインを送ったんだ。作戦は成功して
   テロを鎮圧する事が出来た。」(真田)
  「…すごいな。」(守)
  「それだけじゃない。突入してくることを大統領に話す時ポルトガル語の方言で
   伝えた。」(真田)
  「隠れた武勇伝だな。」(守)
  「全てが終わった後は腰が萎えてしばらく歩けなかったけどな。ユキは古代が
   いたから…全てを預けられた。」(真田)


守は遠まわしに“ユキだけは手を出すな”と言っている事に気付いた。

  「そうか、そんなすごい人が義妹になるのか…。」(守)

真田は守の口から“義妹”と出たので大丈夫だな、と思った。



作品名:さらば… イスカンダル 2 作家名:kei