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さらば… イスカンダル 3

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  「ここだよ」

進はユキを官舎に連れてきた。まだ家具も入っていないガランとした部屋…間取りは4LDKでとても広く20階建ての18階とあって見晴らしもよかった。

  「広い…」(ユキ)

玄関を入って左右に部屋があり奥にリビングと部屋が二つあった。

  「そうだね、広すぎるかな。」

進が窓を開けてバルコニーに出た。今、住んでいる寮のすぐ隣。

  「…両親がすんなり許してくれると思わなかったわ。」

ユキも進の横に来た。

  「そうだね、実をいうとお母さんにすごい言われると思って覚悟してたんだ。」

進が胸の内を明かす。

  「私もそう思ってた。だけどパパ、古代くん大好きだからね。」(ユキ)
  「え?お父さんが?」(進)
  「そう。多分パパは息子がほしかったのよ。一緒に呑める…。」

ユキはバルコニーの壁に背を預け進を見た。

  「私をお嫁に出して寂しい、より息子が出来た、って感じみたい。」(ユキ)
  「本当にそう思ってくれるなら嬉しいな。」

進がはにかんで笑う。もう長い間家族と一緒に過ごしていないからユキの実家に行った時もどうしたらいいのかわからない時がある。

  「さて…今日は帰りましょうか。」

ユキがリビングに戻った。

  「どこへ?」

進が聞くと

  「…だって、まだここに住めないでしょう?タオルもお布団もないわ。
   フローリングに寝たら痛いし風邪引くわ。二週間のお休みいただいたん
   だから…今日は三浦に行きましょうよ。地下都市の。」(ユキ)

  「そうだな…」(進)
  「すぐに住めるように家具、買いに行きましょう。ベッドも大きいのを
   買って…お揃いの真っ白な食器がほしいわ。」

ユキは“ね?”と進に同意を求める。

  「うん、行こう。ポットを買って紅茶も買おう…何が必要かな…考えながら
   三浦に行こうか。」

進はユキの手を繋いで玄関を出た。








  「守か?」

真田は地球のラボから月の自分のラボにいる守に話しかけていた。

  「無事地球に着いたか?」(守)
  「あぁ…少し前にな。サーシァは?」(真田)
  「環境が変わったのが分かるらしく随分ぐずったけど今は寝てる。」(守)
  「そうか…取り敢えず明日、月に行くから待ってろ。」(真田)
  「え?休みは?」(守)
  「そんなの返上だ。」

真田はそう言ってニヤッと笑って“じゃぁ”と言って通信を切った。

  <明日、守の所へ行ってくる。>

真田は進にメールを入れた。







  「あれ?真田さんからだ…なんだろう?」(進)

三浦に向かうリニアの中で進の携帯がメールの着信を告げた。

  「兄さんの所へ行くって…」(進)
  「そう…真田さんのラボにいるって言ってたから…真田さん、お休み返上
   するのかしら?…少しお休みした方がいいのに。」(ユキ)
  「まぁ…ふたりで話したい事たくさんあるんだろう。真田さんヤマトの中で
   やたら忙しそうだった。」

進の視線が厳しくなる。進も真田と同じことを考えていた…ユキもそれを感じていた。

  (きっと…攻めてくる…デスラー砲が通用しないとなるとこちらも考えなく
   てはいけない。)

進はユキの手を強く握った。



作品名:さらば… イスカンダル 3 作家名:kei