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さらば… イスカンダル 3

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  「わかった…」(守)
  「…それと、分かっていると思うが…」

真田が話を続けようとした時守が手で真田を止めた。
 
  「…大丈夫だ。」

一言だけそう言った。真田はユキとの間に何かがあったと感じたがユキと進の間は何も変わらないという事だと理解した。真田は黙って頷くとサーシァの話をした。

  「そろそろ幼児教育に入った方がいいと思うんだが…」(真田)
  「え?まだ歩き始めたばかりだぞ?」(守)
  「一日でも早く勉強は始めた方がいい。この子にユキと同じ教育をしたい。」

真田は今後のプランを話し始めた。ユキは国立の小学校に入学した後どんどん飛び級をして小学校6年生の頃には高3レベルまで到達していた。ユキが最後に受けた一斉テストはユキだけ別の試験にして大学の医学部の受験と同じ内容を受けさせていた。守はユキのレベルを聞いて驚いていた。

  「ユキは第一艦橋の中でトップの成績で予備生になる予定だったが本人が
   どうしても医師になりたいと、そうでなければ普通の中学に進むと言って
   聞かなかったから訓練予備生でなく医学生になったんだ。当時、小学校
   卒業して間もない子が医大生になるなんて前例がなかったからなぁ…だけど
   ユキは普通の医大生と同じ問題を難なくクリアーし順調に医師への道を
   歩いていた…。だけどユキはすぐに医療の現場に出たくなって看護士に
   変更した…俺はサーシァが勉強に付いてこれればユキの夢だった“医師”に
   してやりたい、って思ったんだ。まぁ俺のエゴになるかもしれなんが…
   ただ高い夢を追えば選択肢が増える。数年後にたくさんの選択肢ができる
   よう、勉強の基礎を作らなくてはいけない。最初の内は勉強、と言うより
   遊びから、だからそんなに構えなくて大丈夫だ。」(真田)
  「そうか…その辺りはお前が詳しいだろうから任せるよ。」

二人で話してる間もサーシァは二人の会話を聞き入っているようだ。

  「多分…サーシァは会話を理解しようと一生懸命なはずだ。会話も俺達二人の
   時は英語で話すようにしよう。佐渡さんとアナライザーに日本語を話して
   もらえば多分ひと月もすれば二か国語を理解できるだろう。最低限、二か国語
   話せれば地球に行っても大丈夫だし…」(真田)
  「そんな感じか?」(守)
  「多分な。これからはもっと成長のスピードが上がるはずだ。サーシァに
   たくさん話しかけるのも仕事の一つだと思え。」

真田が英語で話し始めた。もうカリキュラムは始まっている。

  「わかった…お前に全て任せる…森さんを育てたお前なら…サーシァを立派な
   女性に育ててくれそうだ。」

守も英語で返す。

  「あぁ…任せろ…まず一年で17歳だから一日平均の成長率を出してどれだけ
   勉強すれば年相応、それ以上になるか計算した…」

真田は藤堂と別れてからサーシァの成長の予想をたて、カリキュラムを作成しそれと同時進行でヤマトの改良プログラムも作っていた。ヤマトの改良は地球に戻ってくる時に固めた物が多く山崎と相談しながら行っていた。それも昨日、藤堂に了承もらっていて後は会議を通して予算を組めばOKだった。

  「用意周到だな…」

守はこの2年ほどで真田が人らしくなったと感じた。今までは自分が正しいと思った事だけ突き進めていたが周りと協調しながら話を進める真田を見てそう思った。

  「今日、お前の籍を復活させた。戦死、となっていた所、行方不明とし
   ヤマトが訓練飛行中立ち寄った惑星で生存が確認されヤマトに乗り帰還
   した、という事になっている。」(真田)
  「サーシァは?」(守)
  「そこなんだが…イスカンダルのスターシァとの間の子、となると犯罪に
   巻き込まれる可能性があるという事でお前には悪いと思ったがサーシァは
   俺の姪と言う形で戸籍に載せる事にした。」

守は一瞬納得できない、顔をしたがもし守の実子として届けた場合誰のこども?と詮索する人がいるかもしれないと思い真田の案を飲んだ。

  「名前は“真田澪”道標…だ。」(真田)
  「澪標…か。いい名前だな…」(守)
  「地球に戻る時は戦争孤児としてお前の養女と言う形になると思う。その頃は
   サーシァもその意味が分かるはずだ。」(真田)

守は真田が細かい部分に配慮してくれることがありがたかった。

作品名:さらば… イスカンダル 3 作家名:kei