永遠に…の傷跡 1
進は自室に戻るとベッドに体を投げ出して目を閉じた
最近浅い眠りが続いてる様子でよく夢を見る。でも悪い夢が多く未だにデスラーが出てきて敵だったりすることもある。サーシァがなくなるまではユキの手を離した瞬間のシーンが多かった。でも今はどろどろした沼の中を歩いている感じで汗だくで歩くけど前に進まない…前にも同じことがあったような気がするが記憶にない…そんな夢だった
いつものようにどろどろした沼の中を歩いていると突然目の前が明るくなった。
進が太陽を見るように手をひさしのように額に置いて光の方角を向いた。
“おじ様、おじ様やっと逢えたわ!私よ、サーシァ。ずっと真田のお義父様の
所へ行っていたの。真田のお義父様がねおじ様の方にも行ってくれって。”
展望室で話していた通りとてもかわいらしい小さな小さなサーシァがそこにいた。
美しい金髪が短いながらも光を放ちまるで心が軽くなる感じだった。
“おじ様の事だからきっとまだくよくよしてるんじゃないかと思ったんだけど
やっぱりお義父様の方先に行って来たの。ねぇおじ様お願いがあるの”
‘なんだい?サーシァの頼みは断れないなぁ’
進がかがみこんでサーシァの頭をなでると3歳ぐらいのサーシァが小学生くらいになって進を驚かせた
“うふふ、びっくりした?小さい頃の私もみてほしかったの。”
‘サーシァはどんどん大きくなったんだもんな。でも見たらわかったよ。
可愛い時は本当に一時なんだってね!’
進は中腰になってにっこり笑った。
“ひっどぉい!お父様におじ様の小さい頃の話たくさん聞いたもん!すっごく
ちいさくて泣き虫だったって。サーシァは泣き虫じゃないもん!”
‘そうだね。僕は泣き虫だったよ。兄さんに比べたら体も小さかったし’
“でしょ?”
‘サーシァは今幸せかい?’
“どうして?”
‘うん、とっても幸せそうだから’
“そうね、地球で住むようになったら学校に行くことや大きなお店でお洋服選んだり
お父様とお義父様と一緒にお食事したりすること楽しみにしてたことができなく
なっちゃったのはとっても残念だけど…でもお父様とお母様がいるから幸せよ。”
サーシァは中学生くらいになっていた
“家族が一緒にいられるのって一番幸せなことだと思う。おじ様には悪いけど
これからお父様私一人占めだからまだこっちに来ないでね。真田のお義父様
にも話したけどおじい様になるまで来ちゃだめって。おじ様はユキさんと一緒に
幸せにならないとこっちに来ちゃいけないの。”
‘そうなんだ’
サーシァはいつの間にか青い艦内服を着ていた
“おじ様、お願いがあるの。ユキさんを…ユキさんを守って。”
進は一瞬凍りついた
“今日食堂で盗み聞きしちゃったでしょ?ユキさん地球で孤立してる。一生懸命
戦ったのに…人間って酷い…自分たちは助けてもらった立場なのに…私には
ユキさんの悲しい気持ちが流れ込んできて苦しくて仕方ないの。おじ様お願い
私を救いたいと今も思っているならユキさんの悲しい気持ちを止めて。そうでな
いと私の心も悲しい気持ちで張り裂けてしまうかもしれない。
ユキさんは私が赤ちゃんの時誰よりもそばにいて世話してくれてた。小さかった
けど黄色の艦内色覚えてる。早くしないと取り返しのつかないことが起きるかも
しれない。
これはおじ様にしかできないこと。きっとみんなが協力してくれる。
お願い、ユキさんを助けて!”
‘サーシァ…今の俺にそんな力があると思うのかい?’