永遠に…の傷跡 1
進は自分の手をみて力なくつぶやいた
“おじ様、何言ってるの?おじ様ユキさんにたくさんのものもらったじゃない。そして
これからおじ様に大切なものを与えてくれるのユキさんなのよ?おじ様にとっての
家族はユキさんなの。いつもそばいにいて理解してくれて導いてくれる…
ずっと前から気付いていたことでしょ?島さんと相原さんは行動を起こしてくれてる
お願い、ユキさんをよろしく。ユキさんは私の地球のお母様だから…”
‘わかった。サーシァ。俺に何ができるか分からないけど…そばにいるから…’
サーシァは少し涙目になっていたがにっこり笑うと
“良かった!じゃぁ次は山崎さんのところへ行くわ。真田のお義父様が行きなさいって
夜真田のお義父様がいないときはいつも山崎さんがついていてくれたの。”
‘そうかサーシァにはたくさんおとうさんがいるんだね’
“そう。でも怒られる時は×人数分だからちょっと割、合わないの。”
きれいな涙が一筋流れた
“おじ様ありがとう。私いつもみんなのそばにいるから。忘れないで…私の事、
イスカンダルの事…”
そう言うと“また来るわ!”と言ってあたりは真っ暗になった。いつの間にか進の足元も沼地でなくなっていた。
ふと人の気配き気づき顔をあげるとあたり一面ダイヤモンドのようにキラキラ輝いていた
“進、久しぶりです。”
‘スターシァさん!’
そこにはイスカンダルの女王スターシァがいた
“娘の事ありがとうございました。あの子は短かったけど人として大切なものを沢山の
方に教えていただきました。きっとイスカンダルに残っていたら知らなかったことの方が
多かったことでしょう。
ユキさんのこと私も気がかりです。ユキさんの気持ちは私のところにも流れてきて
います。
地球にユキさんが残りヤマトにサーシァが乗りユキさんは生きてサーシァは残念
ながら…でもこれは運命だったのです。冷たいようですが…。もしユキさんではなく進が
地球に残っていたら間違いなくあの場で殺されていたでしょう。ユキさんだったから
敵将ながらユキさんに恋心を抱いてしまったのです。
おおよその事は想像で分かっていると思いますがユキさんは進を裏切ることはして
いません。時間がくればユキさんが話してくれると思いますが話してくれなくても
そのままにしておいてあげてください。
やさしい義理の妹になるはずだったユキさんを頼みます。”
‘待って下さい!スターシァさんはなぜそれほどまでにユキを?’
“ユキさんがいてくれたから…守がここにいるんです。ユキさんが女王としての私では
なく一人の女性として大切なものを教えてくれました。ユキさんのおかげでサーシァ
が生まれてきたと言っても過言ではないでしょう。”
‘スターシァさん…’
スターシァはもう女王の顔はしていなかった。やわらかくやさしい笑顔だった
“ユキさんは強いけどもろい人です。二人を…遠くからずっと見守っています”
そう言うと再び真っ暗になった