永遠に…の傷跡 1
「山崎さん、私はまだよく分からないんです。ユキのこと、サーシァの事…兄の事。
でも分かってるのは生きてるのはユキでユキの事を一番に考えなくてはいけない
ということです。サーシァもそれを望んでいること…昨日分かりました。私のところ
にもサーシァは来てくれたんです。サーシァにユキの心配されてしまいました。
本当に頼りないおじで申し訳ない気持ちでいっぱいです。」
進が申し訳なさそうに言うと
「頼りない叔父、か。確かにそうだな。でもサーシァは艦長代理に逢えて喜んで
いましたよ。これからの事はひとつひとつ解決していけばいいんじゃないですか。」
山崎の言葉を聞いてほっとした進はイオンドリンクをゆっくり飲むと
「艦長代理にはみんながついています。困ったことがあればすぐ立ち上がってくれる
みんながいます。大丈夫です。」
そう言って山崎はカップを受け取ると
「きっと真田君と島が待っているんでしょう。お呼びたてしてすみませんでした。
島には大丈夫、エンジンは任せろ、と伝えて下さい。」
そう言いながら山崎の部屋を一緒に出た。
改めて山崎の部屋を見たが何もないきれいな部屋だった。
「なにもないでしょう?全て地球に私物はあるんですよ。ここにあるのはパジャマと
下着と靴下くらいですね。管理は妻の仕事なんです。無事でいればいいなと
思っています。」
そう言いながら山崎は再び食堂へ向かった。進はみんながみんな大事な人が大丈夫だったのかまだ分からなかったことを思い出した。