永遠に…の傷跡 2
ユキの吐血は今始まったことではなかった。
ユキももともと看護婦である。この吐血の意味をよく分かっていた。
胃の痛みが今までと違ってかなりきつくなってきていることは自覚していた。
でもつらいのは自分一人ではないと思い会議の合間に佐渡先生の病院へ行ってみた。
全壊を免れていたら…薬くらいはあるかもしれない…そう思ったのだ。
ヤマトがデザリアムを出発したばかりの頃少し胃に違和感を感じたユキは
藤堂に30分ほど休憩をもらうとユキは地下の防衛軍の建物を抜けて地上に出て佐渡の病院へ向かった。佐渡の病院は運よく全壊を免れていた。ところどころレーザーのかすめた後はあったが建物の内部は無事だった。ただ誰かがなにか探し物でもしたのだろうか引き出しなどが荒らされた状態だった。
ユキはとりあえず薬の棚に向かい持参した袋に鎮痛剤の他胃に関係する薬をごっそり持ち帰った。ヤマトが帰ってくるまでの辛抱…念のため注射も持った。
佐渡の薬は最初は効果があったが次第に効果がなくなってきた。鎮痛剤に頼りそれが注射を頼り…と病状は悪化していく一方だった。
藤堂とユキは軍のエアポートまで無事に到着した。そこで車から政府機に乗り換え北アメリカへ向かう。藤堂もユキもほっとしたのか離陸後眠ってしまった。