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永遠に…の傷跡 2

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ヤマトがデザリアムを出て4.5日程経った頃…

ユキが噂に気付いたのはロッカールームでの事だった。

すでにヤマトは地球への帰還途中でユキは定時連絡の担当になり毎日楽しくて仕方ない頃だった。ロッカールームに通信機を忘れたことに気付き取りに戻って部屋を出ようと思ったら別の入口から複数の若い女性が話しながら入ってきた。

ユキがいることに気が付いていない様子だった

  「…そう、森さんでしょう?」

入ってきてそうそう自分の名前が出たから出るタイミングを失ってしまった。

  「キレイだもんね。敵だってきっとメロメロになっちゃうわよ。」
  「古代さんは助けに来ないしね。」
  「いつも守られてるお姫様だから結局こうなるんじゃない?」
  「森さんはしょうがないとしてどうする?これから古代さんがフリーになるかもよぉ~」
  「そうよね!裏切られて…かわいそう!私ヤマトが帰って来たらモーレツアタック!
   しちゃおうかしら?」
  「そうよ、森さんあんな何もなかったです、なんて顔していられるわよね!しかも
   英雄気取りでしょ?もう誰もかばってくれないわよ。」
  「…でも…あれが嘘だったらどうなるの?」

一人の言葉で一瞬他の人の行動も止まってしまったらしい

  「なんだか信じられないなぁ…」

聞き覚えのあるかわいらしい声だった

  「なに言ってるのよ。森さんだけじゃないわ。女性で捕虜になって大変だった人
   いたって新聞にも出てたじゃない。」
  「でもどうして森さんばっかりこうなっちゃうの?」
  「仕方ないでしょ?キレイだから目立つしヤマトの乗組員でメインクルー。ついで
   敏腕秘書。何もなくったってひがみで嫌みの一つは言いたくなるわ。それでまだ
   フリーなら許してくれるかもしれないけど婚約者があの古代進でしょ?そりゃ
   出る杭は打たれる、じゃないけど…で、今ヤマトクルーは不在。何言ったって
   森さんかばう人いないからやりたい放題でしょ。」
  「まぁこの子は森さんと仕事したことあるからそう思うのかもよ。私たちは所詮一般
   の軍の事務だから全然分からないけど。」
  「とってもいい人なのよ。」
  「わかったわよ。あなたの前ではもうこの話しないわ。さぁ仕事よ。」

バタン、バタンとロッカーを閉める音がしてみんな配属先へ向かったようだった。

ユキはしばらく呆然としていたがロッカールームを出るとすぐ自席に座り端末で今日の記事を確認した。
作品名:永遠に…の傷跡 2 作家名:kei