永遠に…の傷跡 2
藤堂はすでに部屋に来ていた。
「すみません、遅れました。」
ユキはおはようございます、も忘れ藤堂の横にあるサイドデスクへ座った。
「ユキ、ちょっと奥にコーヒー二つ持ってきてくれ。」
そう言って扉一つ奥の応接室へ入って行った。ユキは“ハイ”と返事すると給湯室でコーヒーを二つ入れて奥へ持って行った
「ユキ、座りなさい。」
テーブルにコーヒー二つ置くとそう藤堂が言ったのでユキは素直に座った。
「私は君を信じているよ。」
藤堂の言葉にユキははっとして顔を見た。そして前もって用意していた紙を取り出すと
ここでは盗聴の恐れがある。今日の午前中は予定がないはずだ。私はこれから半休とるので君も取りなさい。で、軍を出たら裏に車を待たせておくのでそれで私の自宅へ来なさい。妻にも連絡入れてある。
「今日は午後から地上の視察だったね。ちょっと忙しかったから自宅に戻って
一息入れさせてもらうよ。ユキも少し休むといい。2時には戻るからユキも
そうしたまえ。ユキは1時半ころまでに戻ればいい。」
ユキは涙を抑えながら
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えさせていただきます。」
そう言って席を立つと元の部屋に伊藤がいた。
「長官のお呼びで参りました。」
この声が聞こえたのか奥から
「伊藤くんか?はいりたまえ。ユキ、気にしなくていいから帰りなさい。」
藤堂が言ったので“お先に失礼します”と言って長官室を出た