永遠に…の傷跡 3
「あの日…奇襲攻撃があった日…ヤマトの乗組員は英雄の丘に集合しました。
そこに相原くんがしっかり通信機を持って来ていてうまくイカロスと連絡を取る
事に成功したんです。真田さんが<ヤマトはここで…>と言ったので私は大統領の
高速艇が秘密ドッグにあることを思い出し緊急事態なのでお借りすることにしました
でもすでにほとんどの施設が陥落していたので秘密ドッグもとても危ない状態で
なんとかたどり着いたもののハッチが開かず私が開いて高速艇は発進しましたが
私は銃撃戦で被弾し高速艇に乗り損なって捕虜になりました。
その時私を撃ったのはアルフォンという情報将校だったのです。彼は私を収容所で
なく奪取した仮のアルフォン邸で傷の手当をしてくれました。そこで私は古代君
たちが死んだと聞かされました。高速艇は発進したが追尾した敵索機が生命反応
がなかったと……そこで私は少しでも情報が得られればと思いずっとそこにいる
事に決めたのです。」
「しかしユキの知らないところでヤマトはすでにデザリアムに向けて発進していた」
「はい、時間的にみるとそうですね。私はアルフォン邸で自由に部屋を行き来できま
したが一向に情報らしきものが見当たらず無駄な日を過ごしていました。
ある日彼が私にこう言いました。
<私のものになるなら爆弾の秘密を教えよう>と。
古代君はすでに死んでしまった…では今の私にできることって何だろうって思った
んです。それからしばらくやはり迷いました…でも地球を救うにはそれしかないと
思い、古代君には顔向けできなくなる…と思いながら私は少尉の気持ちを受ける覚悟
を決めました。
爆弾の秘密を聞いたら誰かに知らせて…死のうと思いました。」
ユキはそこまで一気に語った。藤堂は何も言えなかった
「でもアルフォン少尉は爆弾の秘密を得てみんなに知らせたら私が自決すること、
そして何より古代君しか心にない私には用はない、と…」
「それでユキはパルチザンへ?」
「はい。それもありますが少尉が<私を倒すことができたら教えよう>と言って私を開放
してくれました。それから私はパルチザンとなりみんなと一緒に戦いました。
爆弾内部に入った時少尉と遭遇しました。撃たなくてはやられる!と思いながらも
私は少尉を撃てなかった。その時足もとに倒れていた兵士が少尉を撃ちそのまま
息絶えました。その時に解体書を私にくれたのです。
デザリアムという星は機械文明が進み頭部以外はすべてサイボーグでした。
退化した体は繁殖能力を奪ってしまいました。デザリアム人は…人間の体がほし
かっただけなんです。彼らの星の人間は地球がほしかったんじゃない。ただ…
健全な体がほしかっただけだったんです。
それがわかってたら…私も違う動き方ができたかもしれないととても後悔してます。
今すぐは無理でもクローンの再生技術を応用して力になれたかも知れない…って
そう思うんです。
すみません、話が飛んでしまって…そして解体が済んでヤマトに連絡して…」
ユキの話はそこで終った