永遠に…の傷跡 3
今、ユキは藤堂と共にアメリカの大統領府へ向かって出発したところだった。
ヤマトから帰還の報告があったがユキが不在のため代わりに伊藤が通信室に入った。
<こちらヤマト通信士相原義一。ヤマト地球到着予定時刻は4日後の午前11時。>
<<こちら地球防衛軍伊藤、了解した。太陽系に入って却って手こずりそうか?>>
<そうですね、今までほとんど残存艦隊とは遭遇しませんでしたが念のため、
というのもありますので…地球の様子は変わりませんか?>
<<そうですね、かなり順調に地上の方の復興は進んでいますが…見ていてつらい
時もあります。>>
相原は後半はユキの事を指してると思い
<そう言えば今日は伊藤さんなんですね、ユキさんは外出中ですか?>
<<あ、そうなんです。今日は長官のお供で二日間大統領府へ出張です。長官も
森さんがいないと仕事にならないらしくいつも一緒に行動しています。>>
(藤堂長官が守っています、と言ってるのかな?)
((藤堂長官が一緒だから大丈夫ですって伝わったかな))
<では明日の報告も伊藤さんになりますか?>
<<残念ながら私になります。>>
<了解しました。ユキさんの顔見れないのは残念ですが…ではまたよろしくお願い
します。>
<<ははは、ではまた明日。>>
相原はかなり憔悴しきったユキの昨日の顔を思い出していた。
(4日後か…もう少し早く戻りたいけど…ちょうどユキさんもいないし…)
ヤマトは地球が使えなくなっている衛星の代わりに各軌道上で不審な艦などがないかレーダーで確認しながら帰還することにしていた。いつもならすぐ帰りつける距離なのだが太陽系まではかなりのスピードで帰還できたがそれからが長く乗組員も少しピリピリしていたが地球の手足をもがれてる状態なので仕方なかった。