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永遠に…の傷跡 4

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佐渡はユキの体を見てぞっとした。肉という肉はそげ落ち鎖骨もあばらもくっきり浮き上がり左腕にはたくさんの注射の後があった。バッグの中には自分の病院に置いてあった記憶のある薬と注射が少しあった

  (体調の悪さに我慢しきれなくなって診療所へ薬を取りに行ったな。それにしても…
   胃の中に何も入っていない。それどころかひどい胃潰瘍と十二指腸潰瘍だ。血圧も
   相当低いし…きっと貧血もあるだろう。吐血も一度や二度じゃないはずじゃ…なぜ…
   こんなになるまで…きっとヤマトが戻ってくるまで…と頑張ったんじゃろうな…)

佐渡は涙でユキの診療に支障がきたすと思い一度汗を拭くふりをして涙を拭いた


他の先生と話し合い潰瘍部分の手術をしてしばく様子を見ることにした。体力がかなり落ちているので手早く処置しなくては事によっては危ない状態になりかねないので最低限の処置のみをすることにした。

佐渡はみんなの待っている廊下へ行くと

  「ユキはかなり無理をしたようじゃ…胃潰瘍、十二指腸潰瘍…それもかなり重症じゃ。
   これから緊急オペに入る。今、潰瘍ぐらいじゃ切らないんじゃが…時間はそう長く
   ないと思うが…待つならオペ室前の待合室を使いなさい。」

そう言うとオペの準備があるから、と言ってまた処置室へ戻って行った。
みんなが進を振り返って見る。先ほどから握りしめた手を見つめ動かない…

  「古代…行くぞ…」

真田にうがなされて進はやっとのこと席を立つと無言でオペ室前の待合室に向かった

しばらくしてたくさんのチューブにつながれたユキがベッドに乗ってオペ室へ来た。
すでに意識はなく酸素吸入器があてがわれていたので顔のほとんどが見えない。

  「大丈夫じゃ。」

一緒に佐渡もそう言いながらオペ室へ入って行った。
作品名:永遠に…の傷跡 4 作家名:kei