永遠に…の傷跡 4
「みんな、いいのか?帰らなくて…家族が待っているんじゃないのか?」
真田が声をかけた。
「山崎さん、奥さん大丈夫ですか?」
そう聞くと
「さっきエアカーの中で到着したことと少し帰りが遅くなること伝えました。ユキさんは
私にとっても娘のような不思議な存在です。このまま帰っても気になって仕方ない
と思うんです。ユキさんが大丈夫ってわかったら帰りますから…多分みんなも同じ
思いだと思いますよ。」
山崎がにっこり笑いながらそう言うと全員がうなずいた
「山崎さんは娘かぁ、ユキさんは俺たちのマドンナなんだけどなぁ~」
太田が場を明るくしようとそう言うと
「そうですよ。もう売約済みですがね。」
南部も合わせて言った。
「ヤマトの乗組員は家族以上、ってところがあるからな。」
島の言葉に真田もうなずいた
手術自体は1時間ほどで終わった。
「みんな疲れてるところありがとうな。ユキは大丈夫だ。体力がないのでしばらく薬で
眠らせて…点滴で栄養補助して…しばらくは起き上がれんじゃろ。」
佐渡が出てくると全員がほっとした。
「ユキはもうすぐ出てくる。ここの最上階の個室をトップシークレットで取った。とりあえず
そっちに移動しておいてくれないか。それと古代、手続きがあるんじゃが…」
「佐渡先生、それは私がします。」
島が一歩前に出て
「入院受付に行けばいいですか?」
と聞いたので佐渡は
「そうじゃ、佐渡の指示で来ましたって言えばわかる。」
そう言ったので島は“行ってきます”と言って受付に向かった。その時“私も、”と言って目の真っ赤な相原が歩きだした。
「佐渡先生、私たちの娘をよろしくお願いします。」
そう言って山崎は安心した顔で真田に後は頼むぞと言わんばかりに肩をたたき
「私も家族に会ってきます。艦長代理…ユキさんを頼みますよ。また様子を見に
きます。」
山崎は席を立ち佐渡にもう一度頭を下げると待合室を出て行った。