永遠に…の傷跡 4
山崎が帰り6人は最上階のVIPルームの個室へ向かった。佐渡が渡したチップを途中何度かスキャンさせながら…
VIPルームは広くミニキッチン、トイレ、シャワー室、洗面所、長期滞在しても大丈夫なようにランドリーまで用意されていた。
大きなソファーがコの字型に設置されていてメインクルーは荷物を一か所にまとめるとソファーに大きくどっかり座った。
ただ進だけはまだ呆然としている状態だった
もう…一緒にいられない…
スターシァがサーシァがユキを救って、と言っていたが…自分にそれが出来るだろうかどうしたらいいのか分からず呆然と突っ立っていた
しばらくするとユキが運ばれてきた。看護師がてきぱきとベッドと機材をつないでいく一緒に佐渡も入ってきて
「後はワシが診てるから…」
そう言うと看護師は会釈して部屋を出て行った。
まるで別人のようになってしまったユキ。ほほはコケ落ちまるで死人のように顔色は青白かった。
進は点滴につながれていない左手を握ると無言でさすった。手はまるで死人のように冷たかった。佐渡はその様子を見てイスカンダルの帰りを思い出し思わず涙があふれてきそうになった。誰もがその時の事を思い出し涙が出そうになるのを必死にこらえた
「古代…」
「真田さん…ユキの手がとても冷たいんです…」
進は手をさすりながら静かに涙を流していた。佐渡の目からも涙が落ちる…
「ユキは…許してくれないのかな…」
ぽつりと進がこぼした。
「みんな…ありがとう。ユキと二人にしてくれないか…」
進がそう言うとみんな顔を見合わせそっと部屋を出て行った。
「古代…お前も着替えた方がええ。艦内服が真っ赤じゃ。何かあったらそこのぼたん
押すんじゃぞ。」
そう言いながら血圧が低いのを見て
「血圧があがらんなぁ」
そう言いながら部屋を出て行った