永遠に…の傷跡 5
ユキは深い深い海の底にいた
泳いでも泳いでも水面に出られない。上を見るとキラキラ太陽が反射して見えるのに…
でも全然苦しくなかった。
ここはどこなんだろう…静かで…穏やか…
すると突然明るい世界に自分が飛んだ感じがした
まぶしい…
気がつくと宇宙空間にユキは浮いていた
そして目の前に金髪のかわいらしい女の子がちょこんと座っていた。
「ユキさん、ユキさん。」
ユキは驚いてその少女を見た
「私、サーシァよ。」
ユキはサーシァを見ると近くまで寄ってきて
「サーシァ?随分大きくなって…(抱き上げると)うわぁ、重たくなったわね。どうしたの
こんなところで?」
「うん…ユキさんは戻らないの?」
ユキは一瞬ドキっとして
「うん…もう…戻る場所もないし…」
「どうして?おじ様待ってるわ?」
サーシァは小学生くらいになった
「私は…もう…戻れないの。」
「ユキさん…」
サーシァはユキの隣に座った。その時のサーシァはヤマトに乗り組んでいる時と同じだった
「ユキさんがそんなこと言うならあの時おじ様もらっちゃえばよかった!」
「サーシァ?」
「おじ様は…ユキさんが生きてるって…そう思いながら戦い続けてきたの。ユキは絶対
に生きてるって…」
「私もそう思って戦いたかった。でも信じていたけれど…私は古代君が死んだって
聞かされて…私も死ぬ気になってしまった…古代君を裏切るつもりで…いたのよ。
そんな自分が許せないの。みんなが噂してること…半分本当だもの…ただ実行したか
してないかの違い…古代君のまっすぐな気持…私…受け止められない…」
「でもおじ様はユキさんがいないとダメになってしまうわ。」
「古代君には…みんながいるわ。きっと立ち直っていつか素敵な女性と知り合って…」
「ユキさん、それで本当にいいの?おじ様他の人に取られてもいいの?」
「本当は古代君の傍にいたいけど…けど…私と一緒にいると古代君も噂に巻き込まれて
いやな思いをしてしまう。何もかも失ってきたのに…」
「だめよ。ユキさん…絶対におじ様から離れないで…おじ様は大丈夫。ちゃんと
ユキさんを支えてくれる。信じてあげて…」
その時サーシャは天使のようにどこかへ飛んで行った。ユキは再び宇宙空間に浮いていた
遠くのほうから碧い光が近付いてくる…
ぶつかる…
そう思った瞬間パッと辺りが碧く輝きユキはその光に包まれた