永遠に…の傷跡 5
その光の中は温かくて幸せな感じがした
「ユキさん…」
懐かしい声が響く声の方を向くとそこにスターシアが立っていた
「スターシアさん…なぜ…ここに?」
「ユキさん…辛い戦いだったわね。ずっと見ていました。助けてあげられなくて…
本当にごめんなさい。」
「さっき…サーシァがここに…」
ユキはハッとなってスターシァの顔を見た
「サーシァは…あなたの代わりにヤマトに乗り込んで…デザリアムで一人残り
大切な仕事をして私の元へ…帰ってきました。」
ユキは一瞬何を言ってるのかわからなかったが守がサーシァを預けた、と言っていたのを思い出し
「預けていたのは…真田さん?名簿にあった真田澪って…」
「サーシァですわ。私と守の…かわいい娘…サーシァ…」
ユキはあふれる涙をこらえることができなかった
「どうして…なぜサーシァが…まだ生まれて…高速艇に乗り損なった私が生きてて
ヤマトに乗り込んだサーシァが死んでしまうなんて…なぜ…古代君のたった一人
の家族だったのに…あんなに小さくて…かわいらしくて…」
「ユキさん…残念ながら…運命だったんです。黒色艦隊が奇襲攻撃をかけてきた
時…ユキさんが地球に残りサーシァがヤマトに乗り込む…この時点でサーシァの
運命が決まってしまいました。もしユキさんが高速艇に乗り込んでいたら間違いなく
地球は破滅していたことでしょう。
つらいかもしれないけれどユキさんが捕虜になったことで敵将が心奪われ自分たちの
していることの過ちに気付いたんですから。
サーシァは混血のせいか普通の人間と違い物体の本質を見る力があります。
デザリアムの本当の姿を見た時にサーシァは何をするべきなのかわかってしまった
のです。自分の短い人生を悲しんでいる時間はありませんでした。
ただ、ユキさんサーシァを許してほしいの。」
「許す?」
「あの子は進の事が好きになってしまいました。ユキさんがいるとわかっていたのに
惹かれて行ってしまったの。あの子はもう気付いてると思うけど…小さな女の子が
隣のお兄さんに憧れを抱く感情…そんな感じだと思うんだけど…進はその気持ちに
気付かなかったこと、気付いていても答えられなかった事を後悔しています。」