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永遠に…の傷跡 7

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すぐ佐渡が飛んで来た。ソファーの部屋とは間仕切りが下ろされ進以外の人間は別の部屋で待っているような様子になった

  「…どうですか?」
  「う~ん、38.5度じゃろ…弱ってる体にはちときつい熱じゃな…解熱剤を点滴入れて
   おくが…効果うすいじゃろ。抵抗力がかなりよわっとる…」

そう言うと看護師が点滴に解熱剤を注入した。

  「先生お話があるんですが…」

進がそう言うと佐渡は看護師に向かって

  「わしもすぐ戻る。君は先にもどってなさい。」

そう言って看護師を部屋から出した。それと同時に真田たちがユキの元へ来た。

  「なんじゃ?話とは」(佐渡)
  「ユキを…このままここにいるとまたスキャンダルの元になりかねないので別の場所に
   移したいんですが…先生…お願いできますか?先生の協力がないと…」(真田)
  「どこの病院に移すんじゃ?今移動すると危険じゃぞ?今日は発熱もあるし…もし
   移動するなら3日後じゃな。平熱に戻ってもすぐ移動じゃ…抵抗力の落ちてる体には
   地下の空気は余りにも負担が大きすぎる。」(佐渡)
  「実は親父のホテルのスイートをしばらく借りられる事になりました。隣の病院から
   何かあればすぐ駆けつけてもらえるようお願いしてあります。ユキさんのカルテと
   を持ってきてほしいと要望がありました。ここと同じ機材をそろえてくれます。」(南部)
  「ちょっとまて、ちゃんと説明してくれないと許可できん。ワシにとってもユキは孫と
   同じ存在なんじゃ。おいそれと知らない人間に渡せるか!」(佐渡)
  「…先生の気持ちわかります。我々も同じ気持ちです。佐渡先生、いま少し時間いいで
   すか?…実は…まだ憶測の域を出ていないんですが…ユキの噂ご存知ですよね。
   で、このままこの病院にいることがかぎつけられたらユキの妊娠説が浮上する可能性
   があるんです。ユキの噂がこれ以上流れないようにユキを隠匿したいんです。ここは
   軍直結の病院です。どこからユキの情報が漏れるか…ここにメインクルーがそろって
   ることがわかればすぐ知られてしまいます。今回たまたま佐渡先生が用意してくれた
   チップでここまでスルーでこれますが…尾行されたりしたら…一刻の猶予もありませ
   ん。いつ織田が動くか分かりません。お願いします。今ユキに新しい噂が出たら…
   それこそ立ち直れなくなってしまいます。」(真田)
 
佐渡は難しい表情を浮かべた

  
  「気持はわからんでないが…どうしたことかのぉ…」(佐渡)
  「南部の系列の病院の院長が佐渡先生が対応出来ない時ユキのこと診てくれると
   言ってくれています。どうか…何とかここからユキを安全に出したいんです。」(真田)
  「ここからエアカーで行っても5分くらいです。お願いします。」(相原)

ユキの手は相変わらず温かかった

  「佐渡先生…このままだとユキは噂に殺されてしまう…それでなくてもユキは死ぬ思い
   で戦っていたのに…俺は…みんなのおかげで地球に早く戻ってこれた…みんなも
   ユキに会いたくて早く戻りたかった、って言ってくれたんです。それなのにこんなことで
   体は元に戻っても心が死んでしまったらそれはユキじゃないんです。
   俺からもお願いします。
   ユキを助けて下さい。」

進はユキの手を握り締めながら絞るような声で佐渡に訴えた

  「古代…」
  「今、頼れるのは…本当に信用できるのはメインクルーだけです。助けてくれるなら
   それが今一番いい方法なら…お願いしたいんです。」

佐渡はしばらく考えて

  「…わかった。先方の院長にはわしも一緒に付いていく、と伝えてくれ。準備があるじゃろ
   はよう手配せい。ワシは付いていくだけじゃ。」

そう言うとつらそうに部屋を出て行った
作品名:永遠に…の傷跡 7 作家名:kei